【時事解説】アフターコロナで対応が迫られるゾンビ企業の問題とは その2

 新型コロナウイルス禍以降急増している、「ゾンビ企業」が問題となっています。また、近年、日本は日銀の金融政策のおかげで低金利が続いてきました。結果、少ない利益でも利払いを賄えてきた「隠れゾンビ企業」も存在します。

 ゾンビ企業が問題視される理由はいくつかあります。一例を挙げると人材についてです。ゾンビ企業の中には人材を多く抱えているところもあるため、成長産業に人が集まりにくい、採用難に拍車をかけているといった批判があります。ほかにも、自社の補助金採択率が下がる、資金が集まりにくくなるといった声もあります。

 ただ、今後はゾンビ企業が経営難に陥る可能性が高くなると予想されます。現在、日銀の政策、大規模緩和は大きな転換点を迎えています。3月、マイナス金利政策の解除を決定し、マイナス0.1%としていた政策金利を0〜0.1%程度に引き上げると報じられました。こうした政策変更が、ゾンビ企業の財務悪化を顕在化させると指摘する人もいます。

 さらに、物価高や人手不足などに伴うコスト増で、ますます収益が悪化し業績不振に拍車がかかる企業も増えるでしょう。

 ただ、ゾンビ企業が淘汰されればよいと、単純な話でもありません。倒産により、ゾンビ企業で働く従業員の雇用の問題が浮上します。これらの人材の受け皿を探さなければならないという新たな課題が生じます。

 ゾンビ企業の問題を解決するには、単にゾンビ企業を排除するのではなく、収益性の高い経営といった経営改革が求められます。コロナ禍が明けた今、企業はどのように進むか、ゾンビ企業の問題を通して、企業は問われているともいえます。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です