【時事解説】世界成長をけん引するグローバルサウスとは その2

 最近、「グローバルサウス」という言葉をよく耳にするようになりました。グローバルサウスとは、アジアやアフリカ、中南米などの新興国・途上国の総称をいいます。代表的な国として、インドやインドネシア、ブラジル、ナイジェリアなどが挙げられます。経済成長が見込まれ、経済規模は2050年にはインドが日本やドイツを抜くともいわれています。

 旧来、世界経済は工業中心で、製品を生産し、消費者が買うことで売り上げが上がる仕組みが主でした。工業製品を生み出すには、大きな工場設備や機械、技術が必要で、先進国に追いつくのはたやすくありませんでした。

 ところが、最近は、カエル跳び現象(リープフロッグ現象)といわれる、新興国が既存の技術を経ることなく、最先端の技術に一気に到達する現象がみられます。イノベーションを起こし、従来の技術の蓄積がなくても、カエルのように、一気に先端技術を手に入れています。たとえば、ケニアでは固定電話が普及していませんでした。が、固定電話よりも先に携帯電話が普及し、結果、モバイルマネーやモバイル決済が著しく普及しました。

 グローバルサウスへの投資には多くのビジネスチャンスがあります。その中、欧米や日本は官民の投資をかかげています。一例を挙げると、日本のエアコンメーカーがアフリカで住宅用空調の生産網を構築することを発表しています。

 グローバルサウスは経済成長に伴い、国際社会で発言力を増しています。もともと、グローバルサウスの中には、中国やロシアと経済、軍事などでつながりが深い国が多くあります。欧米諸国としては、投資によりグローバルサウスを引き寄せる狙いも含まれています。今後、世界の勢力地図がどのように変化するのか、重要な局面を迎えています。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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