【時事解説】小規模企業振興基本計画の改正 その1

小規模企業振興基本計画は、小規模企業振興基本法に基づき、小規模事業者の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため政府が策定するものであり、2014年10月に策定されました。小規模企業振興基本計画は情勢の変化を勘案し、おおむね5年ごとに変更するものとされており、今回、初の変更が行われ小規模企業振興基本計画(第Ⅱ期)が2019年6月に公表されました。

 「第Ⅱ期計画」では、「第1章第1節 現状認識」において、「第Ⅰ期計画」策定以降の小規模企業を取り巻く環境の変化として4点をあげています。第一に、働き方改革による副業の進展など多様な事業者のさらなる出現です。第二に、高齢の経営者の後継者不足による事業承継問題の本格化です。第三に、人口が急激に減少している点です。第四に、東日本大震災からの復興以降も大規模災害が頻発している点です。

 また「第1章第2節 基本的な考え方」において、地域経済活性化のためには、地域を牽引する企業の創出、産地産業の活性化・ブランド化、サプライチェーンの維持、地域の公共的サービス・コミュニティ維持などの視点が重要となり、「数」ではなく、小規模事業者が地域経済や産業に与える質的な影響を踏まえた「機能」を育成・維持していくことが、今後は求められていくことから、小規模事業者の「持続的発展」に加え、地域の「持続的発展」も重要要素に加えることで、地域にとって必要な小規模事業者の支援に重点化する方向へと深化させていくことを目指すとしています。

 このような状況下で、都道府県・市町村・産業界といったステークホルダーとの関係を強化し支援体制を構築することが求められるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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