(前編からのつづき)
調査事例をみてみますと、国内外の仮想通貨取引に係る事案があり、調査対象者Aは、仮想通貨の取引による利益について自主的に修正申告書を提出しましたが、部内資料等から修正申告書の内容を大きく上回る利益を得ていることが想定され、調査の結果、Aは多数の仮想通貨取引所に本人及び妻名義の取引口座を開設し、自身で開発した仮想通貨の自動売買プログラムを使用して多額の利益を得ていた事実が把握されました。
Aは、インターネット情報で、仮想通貨取引の利益は申告する必要があることを知り、本人名義のうち、一部の仮想通貨取引の利益は修正申告しましたが、妻名義などで行った仮想通貨取引による利益は修正申告書に含めていなかったことを認めました。
その結果、Aに対して、所得税1年分の申告漏れ所得金額約5,000万円について、追徴税額(重加算税を含む)約2,400万円が課されました。
国税庁では、国外送金等調書、国外財産調書、租税条約に基づく自動情報交換資料などの情報を活用して、海外取引・海外資産関連収入の的確な把握及び積極的な調査に取り組んでいます。
(注意)
上記の記載内容は、平成31年1月11日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。