【時事解説】ウイルスに負けない飲食業の新業態とは その2

コロナ禍により苦境に立たされている飲食業。このまま潰れてたまるかと言わんばかりに、新たなビジネスモデルを生み出す店もあります。一つには、ライブ配信やオンライン飲み会で顧客に接客し、収益を上げるやり方があります。
 ただ、これまでは個々の店舗で取り組んでおり、顧客からお金をもらうための、収益化の仕組みが構築できていない点がありました。そんな中、確実に収入へつなげるため、新たなビジネスモデルの構築へと動き出した企業もあります。

 カフェを展開しているある上場企業は、他社と組んでスナックのバーチャルサービスをはじめました。サービスを利用するには、顧客はまず、スマートフォンでポイントを購入します。金額は500ポイントで500円(2020年5月現在)。500ポイント単位でクレジット決済します。決済サービスを用いることで、顧客は安心してサービスを利用でき、店側も確実に収益が上がるようになります。現在は試運転中なので2店舗だけで運営していますが、今後はフランチャイズ化する予定だといいます。

 新たなビジネスモデルを創出する事例が他にもあります。それは、現在の事業に隣接する事業に乗り出すことです。高級居酒屋チェーンを展開するある企業は、除菌・消毒サービス事業に乗り出しました。ウイルス感染予防対策として、自身の店舗で実施している除菌・消毒に関するノウハウを商売につなげたのです。

 対象は、飲食店だけでなく、宿泊施設やオフィスなど、不特定多数の人が接触する可能性のある場所を広く設定しています。加えて、手順や使用する薬剤は厚生労働省のガイドラインに準拠したものを用いて、顧客は安心して利用できるようにしています。バーチャルスナックや消毒事業といった分野への参入は、新たなビジネスモデルを構築することで、出口の見えない業種でも光を見出せることを示しています。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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