「AIパソコン」が注目を集めています。大手パソコンメーカーが相次いで製品投入を表明しました。具体的にAIパソコンではどのようなことができるのでしょうか。例えば、タッチペンで描いた絵と「花束」というキーワードを入力すると、色鮮やかな花の画像を生成することができます。さらに別の「蜂」の画像を掛け合わせると、花に蜂が止まっている新たな画像が出来上がる、といった具合に、インターネットに接続しなくても、自動で絵などを生成することができます。
こうしたAIパソコンの基本となる技術が「エッジAI」というものです。「エッジAI」とは、インターネットに接続しなくても、パソコンや携帯電話などのデバイス内で動作するAI技術を指します。
エッジAIの技術の最大の特徴は、インターネットに接続しない点にあります。そのため、「遅延がなく即座に処理できる」「個人データなどを扱う際のプライバシーやセキュリティー上の懸念を減らせる」「通信のコストを抑制できる」「インターネットに接続できない地域や、接続が不安定な時でも利用できる」など、メリットが挙げられます。
また、AIは消費電力が高いことが懸念材料となっています。昨今、生成AIの急速な普及に伴ってデータを処理するデータセンターの利用が拡大しています。そして、データセンターでは電力消費が急激に増えていることが問題視されています。こうした点に対しても、エッジAIの活用が進むと、処理自体が個々の端末で行われるようになります。結果、処理が分散することで、データセンターの電力消費が抑えられると予想されます。
ビジネスでは、AIがパソコン内部に保存されたデータをもとに、プレゼン資料を作成したり、会議日程を組んだりする日も近いのかもしれません。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)