【時事解説】コロナ禍で普及の兆し、スマートグラスとは その2

コロナ禍で、新たに普及の兆しが見え始めた商品があります。一例を挙げると、スマートグラスと呼ばれるメガネ型端末がそうです。コロナ禍により工場のテレワーク用のニーズが増えました。また、海外では、警備員が入場者の体温を測定するといった利用もされています。

 ただ、発売当初、スマートグラスは多くの問題を抱えていました。2013年、グーグルはスマートグラスを発売し注目を集めました。ところが、値段が1500ドル(当時1ドル100円で換算=15万円)と高価だったため普及には至りませんでした。加え、かさばって重たいといった使い勝手に関する問題も普及が進まなかった要因になりました。

 そして、最も大きな問題となったのがプライバシーの侵害です。スマートグラスにはカメラの撮影機能があります。たとえば、レストランに入店し他の客の顔を相手に気づかれないように撮影することもできます。加え、顔認識機能のアプリを利用すれば、相手のプロフィールを検索することも可能です。「だれかに撮影されているかもしれない」と思ったら安心して食事もできません。米国のレストランではスマートグラスを着用した人が入店を断られる事例が発生しました。そして、2015年、グーグルはスマートグラスの販売を中止しました。

 コロナ禍で再び注目を集めるスマートグラス。今回は、工場での作業など、ビジネスユースが中心なので、プライバシーに関する事項は問題になりにくいと考えられます。また、価格は現在約6万2000円まで下がっています。加え、新規光学素子の開発により、小型化や軽量化が実現できるようになりました。今後、普及が加速するかどうか、注目したいところです。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です