コロナ禍の影響で多くの集会が取りやめとなっています。ただ、中には、法律で開催が義務付けられているため、見送るわけにもいかない会合もあります。代替えとして、オンラインで開催するケースも増えています。ただ、中にはオンライン化が難しいものもあり、感染防止が可能な開催方法を模索しなければならない場合があります。
その一つが株主総会です。株主総会の開催は法律で定められており、コロナ禍を理由に開催を見送るわけにはいきません。もとより、株主総会は株主が経営者に意見を伝える対話の場でもあります。簡単になくすわけにはいかないのです。
ならば、オンラインで開催すればよいのかというと、一筋縄ではいかないものがあります。というのも、会社法では株主総会においては、実存するリアル会場の設置が定められています。従って、企業はオンライン総会のほかにも従来通りのリアルな総会も用意しなければならず、オンライン総会は二度手間、負担増となります。
また、従来から会場に入場する際に本人確認が実施されてきましたが、オンラインの場合、どのようにして本人確認を行うか、実施方法が一つのハードルとなっています。ほかにも、議案に対する決議(議決権行使)や株主の質問など、オンライン開催には多数のハードルがあります。が、2020年3月期決算の企業(株主総会は6月に開催)では、ITやゲーム会社などを中心に、オンライン総会を取り入れた企業もありました。ただ、大半は、総会の様子をオンライン配信する形に留まり、議決権の行使までをオンラインで実施した企業はごくわずかです。とはいえ、オンラインの株主総会が複数の会社で実施されたことは大きな変化。今後、法整備を含めてさらにオンライン化が進む可能性があります。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)