【時事解説】中小企業におけるオープンイノベーション その1

中小企業においても外部の技術やノウハウを活用し、新製品・新技術・新サービスの開発などを実現するオープンイノベーションの重要性が指摘されています。
 中小企業庁編『中小企業白書2020年版』では、中小企業のオープンイノベーションの取組状況等についてアンケート調査を実施しています。
 同アンケートにおいてオープンイノベーションを、外部技術を自社内に取込み連携をする「アウトサイドイン型」、自社の技術・知識を社外に発信することで連携を促す「インサイドアウト型」、広く連携先を募り共同開発をしていく「多対多の連携型」に区分してその取組み状況をみると、「アウトサイドイン型」に取組む企業の割合は製造業、非製造業でそれぞれ19.0%、16.1%存在する一方で、「インサイドアウト型」は12.0%、8.4%、「多対多の連携型」は4.2%、4.5%にとどまっています。

 次に、オープンイノベーションの取組み効果についてみると、製造業、非製造業ともに、「知識・ノウハウの蓄積に効果があった」という回答割合がそれぞれ43.0%、45.6%と最も高くなっています。「特段の成果は上がっていない」と回答する企業は、製造業、非製造業ともに5%未満にとどまり、何らかの成果を得た企業が多いことがわかります。
 企業がオープンイノベーションを成功させるために重要と考えるポイントについてみると、製造業、非製造業ともに「連携企業との事前の信頼関係」、「明確なゴールの設定と共有」、「自社・連携先の意思決定スピードの早さ」の順に回答割合が高くなっています。

 このように中小企業におけるオープンイノベーション促進に向けては、連携企業との信頼関係構築などが重要となるのです。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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