車の価値が「所有」から「利用」に変化しつつあります。それに伴い、新たな市場としてMaaSが誕生。さらにトヨタ自動車とソフトバンクグループが提携を発表し話題となりました。ほか、ベンチャー企業も続々とMaaSに参入しており、これら企業が提供する新サービスに注目が集まっています。
現在の目玉は自動運転タクシーです。実用化すれば、スマホアプリの地図で、今、自分がいる位置をタップすれば、周辺を走るタクシーが迎えに来るようになります。これまで、タクシーがなかなかつかまらない、電話で呼んでも到着までに時間がかかるといった問題がありましたが、今後、解決が期待できます。加えて、自動運転タクシーはドライバーの人件費が不要なので、従来タクシーよりも料金が安くなることも期待できます。
MaaSは個人向けサービスだけでなく、事業者向けのサービスも開発されつつあります。その一つが、移動型商業サービスです。自動運転車と飲食業や小売業などの他業態がコラボすることで、動くお店が実現します。これまで、消費者はお店に足を運び、飲食や買い物を楽しむのが常識でしたが、将来は、スマホで呼べば、お店が自宅前まで訪れてくれるようになります。
近年、ネット通販が盛んになりましたが、依然、商品を買うならば手に取って選びたいというニーズは強くあります。小売業者にとって、MaaSはネット通販に流れた顧客を取り戻すよい機会になるかもしれません。これまで、人件費やサービスの利便性などの障壁があり、MaaSのようなサービスはなかなか実現しませんでした。が、近年の自動運転やスマホなどの技術が進歩したことにより、もはや夢物語ではなくなっています。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)