◆業界誌の案内する自販機課税
財務省主税局と意見交換をしたとする全国清涼飲料連合会の機関誌によると、自動販売機を設置する場所提供と電気代の負担だけ行い、飲料メーカー等が自動販売機を用意して商品の管理・補充も行って、販売数量に応じた金額を販売手数料として支払うようなケースでは、その販売手数料は飲食料品の譲渡にはならず、役務の提供の対価と考えられるので、軽減税率は適用されない、としています。
◆自販機では役務の提供はしていない
逆に、消費税軽減通達では、自動販売機により行われるジュース、パン、お菓子等の販売は、飲食料品を飲食させる役務の提供を行っているものではなく、単にこれらの飲食料品を販売するものであるから、軽減税率の適用対象となる飲食料品の譲渡に該当することに留意する、と記しています。自販機品の大量仕入れに係る奨励金等であっても扱いは同じで、さらに、自動販売機の設置場所が酒屋や飲食店やガソリンスタンドなどの併設休憩所、福利厚生目的のオフィス内等であっても扱いは同じようです。
◆役務の提供のない飲食料品の販売とは
役務の提供がない、ということがポイントで、持ち帰りのための容器、包装を施しての飲食料品の譲渡、さらには、いわゆる出前も、飲食料品の譲渡に該当し、軽減税率の適用対象となります。そうすると、ケータリング(相手側が指定した場所において調理等の役務を伴う飲食料品の提供)や出張料理などは、役務提供を伴うので、軽減税率対象外になります。
◆役務提供があっても軽減税率
でも、役務提供があっても、政策的配慮を要する一定の基準を満たす有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅での食事提供は、軽減税率の対象とされます。一定の基準は、財務省告示で示されており、「施設の設置者等が同一の日に同一の者に対して行う飲食料品の提供の税抜対価の額が一食につき640円以下であり、その累計額が1920円に達するまで」とされ、これを超える部分についてのみ軽減税率適用外となります。
学校給食、特養、老健、介護医療院、ケアハウス、デイサービス、認知症グループホーム等は、もともと非課税です。