安倍内閣は「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げ、女性の活躍を推進してきました。2015年には、指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%にする、「2030」という目標数値が設定されました。たしかに、女性課長の比率をみると、1989年は2.0%でしたが、2018年には7.3%と増加傾向にあります。また、女性が役員に就任というニュースを耳にすることも増えました。とはいえ、「2030」の目標値、30%は程遠いのが現状です。
欧米では、女性管理職の割合は30~40%といわれています。日本は欧米諸国と比べると、数値が低いといえます。とはいえ、本来、人口の約半分は女性ですから女性管理職の割合は50%程度が妥当といえます。欧米諸国は日本と比べ進んではいますが、女性管理職30%という数値は決して多いとはいえないのです。
最近、米国コンサルタント会社の調査で、女性の役員比率が低い原因は「壊れたはしご」にあることがわかりました。入社後、昇進の階段を上るとき、女性の階段(はしご)は壊れているので、最初の一段から足を踏み外し、なかなか上へ登れない、というものです。企業に入社すると、おおむね数年内にグループ長や主任、係長といった地位に就くのが一般的です。この最初のステップである「グループ長」になる時点ですでに男女で差がつきます。さらに、課長、部長と上に行くに従い差が大きくなるというわけです。結果、役員の割合は、女性が少なくなるのは当然のことになります。
シリコンバレーでの調査では、6割以上もの女性が女性であるためゴルフなどの社交行事から外された経験があり、8割もの女性が「攻撃的すぎる」と批判されたことがあるといいます。女性であることで、昇進に不利な状況は世界共通の事項のようです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)