【時事解説】脱炭素化で増大する「電費」の重要度 その1

 

バイデン米政権が誕生し、脱炭素化(GX:グリーン・トランスフォーメーション)に関する政策が強化されるようになりました。中でも、電気自動車は二酸化炭素を排出しないため、バイデン政権は普及に力を入れています。一例を挙げると、全米に50万カ所の充電設備を設置する計画を政権発足後に掲げました。米国企業もこうした流れを受け、ゼネラル・モーターズは2035年までにガソリン車の製造販売をやめて、電気自動車などに切り替える方針を明らかにしています。

 併せて、日本でもGXが加速しています。GXの流れの中、最近は「電費」という言葉を耳にする機会が増えました。電費とは、ガソリン車でいう燃費のようなものです。ガソリン車の場合、1リットルの燃料で走ることのできるキロ数を「燃費」として表示しますが、電気自動車の電費では、1kWhで走れる距離数を示します。
 従来から、燃費が良い車はガソリン代を低く抑えられるので、消費者の購入意欲を促します。同様に、電費の良い車は電気代を抑えることができるので、魅力的な商品となります。

 現在、電気自動車を買うときは価格やバッテリー容量(容量が大きければ一回の充電で長く走れる)が比較のポイントとして大きな割合を占めています。今後は、買った後にかかる費用も比較のポイントとして加わることが予想されます。結果、電費の良し悪しは重要な基準となるでしょう。

 消費者が電費を強く意識するようになると、自動車メーカーは、高性能の電池を搭載するだけでなく、今後はさらに、車体の形を工夫し、軽い素材を用いるなど、電費を意識して設計するようになることが予想されます。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

 

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