【時事解説】世界成長をけん引するグローバルサウスとは その1

 最近、「グローバルサウス」という言葉をよく耳にするようになりました。2024年5月、岸田文雄首相はブラジル、パラグアイなどを訪問し、記者会見では、「グローバルサウスとの連携強化で様々な成果を上げた」と述べました。

 グローバルサウスとは、アジアやアフリカ、中南米などの新興国・途上国の総称をいいます。代表的な国として、インドやインドネシア、ブラジル、ナイジェリアなどが挙げられます。「サウス」と銘打たれていますが、必ずしも南半球に位置しているわけではなく、北半球にあるインドなども含まれます。

 名前の由来は、いち早く工業化して経済発展した主要国が北半球に多く位置しているのに対して、南(サウス)に位置する新興国という意味から「グローバルサウス」と呼ばれるようになりました。
 注目される理由は経済成長にあります。2050年には、グローバルサウス各国のGDPの合計額は、米国1国のGDPを上回るといわれています。また、経済規模では日本やドイツを抜き、インドが世界3位に、インドネシアが4位に。日本は世界第6位になるといった予想もあります。

 現在、世界最大の都市は人口3,600万人の東京首都圏ですが、2075年には人口5,800万人のキンシャサ(アフリカ中部・コンゴ民主共和国の首都)、第2位はインドのムンバイ、第3位はナイジェリアのラゴスという予想もあります。人が多ければ消費が増え、ビジネスが栄え、働き手が増えてさらに消費が伸びるという好循環が生まれます。
 こうした経済成長を一因として、欧米や日本は官民の投資をかかげています。今後の関わりに注目が集まります。(つづく)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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