今月の税務トピックス② 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹

(今月の税務トピックス①よりつづく)

Ⅲ 用語の定義
 上記Ⅰ及びⅡにおける主な用語の定義は、次のとおりとされます。
① 雇用者給与等支給増加額
 雇用者給与等支給額から基準雇用者給与等支給額(平成25年分の給与等支給額とされます。)を控除した金額とされます。
② 雇用者給与等支給額
 適用年の年分の事業所得の金額の計算上必要経費に算入される国内雇用者(個人の使用人(特殊関係者を除きます。)のうち個人の有する国内の事業所に勤務する雇用者として労働基準法第108条に規定する賃金台帳に記載された者とされます。)に対する給与等支給額(その給与等に充てるため他の者から支給を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額)とされます。
③ 比較雇用者給与等支給額
 適用年の前年分の雇用者給与等支給額(適用年の前年において事業を開始した場合(相続により事業を承継した場合を除きます。)には、その給与等支給額に12を乗じて適用年の前年において事業を営んでいた期間の月数で除して計算した金額)とされます。
④ 中小事業者の範囲(措法10⑧五,措令5の3⑨)
 「中小事業者」とは、中小事業者に該当する個人で青色申告書を提出しているものとされます。このうち、「中小事業者」とは、常時使用する従業員の数が1,000人以下の個人とされます。

おわりに
 公表された平成30年度税制改正大綱(平成29年12月22日閣議決定)においては、基準年(平成25年分)が撤廃され、雇用者給与等支給増加額の計算が前年との比較とされています。また、賃上げ率1.5%以上を実施した中小事業者では、控除率が15%とされ、大事業者並みの高い賃上げ率2.5%以上を実施するとともに人材投資又は生産性向上の実施が証明された場合には控除率が25%とされています。
 これら税制改正を考慮すると税理士事務所においても事務所職員の昇給及び特別ボーナスの支給も工夫する必要がありそうですね。

エッサムファミリー会 会報(平成30年2月号)より

 

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