◎株式取得額の25%を控除 ◎主な要件は? ■受け手の要件(ベンチャー側) ・設立後10年未満の株式会社 ※オープンイノベーション性の要件 なお、新税制は2020年4月から2022年3月末までの出資に適用する期限があります。その他の条件として、特定期間(5年間)内に株式を譲渡したり配当を受けたりした場合は、その分の控除額を取り崩し、益金に算入が行われます。 |
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投稿者: master668
《コラム》令和2年税制改正大綱 資産課税編
◆所有者不明土地等に係る措置(固定資産税)
土地・家屋の固定資産税は、原則として土地の「所有者」(登記簿上の所有者)に課税されますが、昨今の「所有者不明土地等」の増加に伴い、次の措置が設けられます。
(1)「現に所有している者」の申告制度化
市町村長は、その市町村内の土地・家屋について、登記簿に「所有者」として登記がされている個人が死亡している場合には、その土地・家屋を「現に所有している者」(現所有者)に、条例で定めるところにより、賦課徴収に必要な事項を申告させることができることとなりました。
(2)所有者不明土地等の「使用者」に課税
市町村は、調査を尽くしてもなお固定資産の所有者が一人も明らかとならない場合には、その「使用者」を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、固定資産税を課することができることとされました。
◆国外財産調書制度等の見直し(相続税等)
(1)相続直後の調書等への記載の柔軟化
相続開始年の年末に有する国外財産に係る国外財産調書については、相続・遺贈により取得した国外財産(相続国外財産)は記載しないで提出できるようになりました。
(2)提出がない場合等の加算税等の見直し
国外財産調書の提出がない場合の過少申告加算税の加重措置の適用対象に、相続国外財産に対する相続税の修正申告等があった場合等が追加されました。
また、国外財産調書に記載すべき国外財産に関する書類の提示・提出がない場合の加算税の軽減措置・加重措置の特例が創設されました。
◆その他の改正(相続税・贈与税)
(1)農地等の納税猶予制度の対象拡大
特例適用農地等の範囲に、三大都市圏の特定市の市街化区域内に所在する農地で、地区計画農地保全条例(仮称)により制限を受ける一定の地区計画の区域内に所在するものが追加されます。
(2)医業継続に係る納税猶予制度の延長
適用期限が3年延長されます。
(3)相続税の物納の特例の対象拡大
適用対象となる登録美術品の範囲に制作者が生存中である美術品のうち一定のものが追加されます。
《コラム》正社員化コースだけじゃない!使いやすい健康診断制度コース
◆キャリアアップ助成金健康診断制度コースとは
助成金の中で花形助成金といえば2019年度も継続だったキャリアアップ助成金正社員化コースです。しかしキャリアアップ助成金の中にもほかのコースがあることをご存知ですか? 今回はキャリアアップ助成金健康診断制度コースをご紹介します。
健康診断制度コースは期間を定めて働いている労働者等を対象とする「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施すると38万円(条件を満たすと48万円)の助成金が支給されます。
◆どんな人が対象になるか?
雇用保険に加入する必要があるので期間の定めがある雇用契約を結んでいる人で、週20時間以上30時間未満勤務の従業員です。そのほかフルタイム勤務でも期間の定めのある雇用契約を結んでいて、雇い入れてから1年未満の勤務期間の人も対象です。1年以上雇用していると通常の定期健康診断を行う必要があるので助成金の対象外労働者になります。また事業主の3親等内の親族も対象外です。イメージとしては事業主関係者でないパートの方に新たに定期健康診断を行ってあげると受給できることになります。
要件に対象者延べ4人に健康診断を行うとあるように、一度に4人健康診断する必要はありません。長丁場になりますが同じ人に4年かけて4回行ってもいいし、2人に2年かけて健康診断を実施しても受給できます。
ただし、雇用してから5年以上雇用契約更新を繰り返している人を対象とはしないほうがいいでしょう。無期雇用転換ルールが適用される場合は対象外と申請時に言われる可能性があります。
◆こんな時でも使えます
すでにパートの方に健康診断を行っている場合でも、この助成金は使えます。法定外の健康診断を行うことを就業規則に定めることが要件になるので、条文を入れていなければ使うことができるのです。
人を集めるのが大変な昨今ですがパートタイムの方にも健康診断をすることで病気を予防し、継続して働いてもらえるようになるとよいでしょう。
《コラム》令和2年税制改正大綱 法人課税編
◆オープンイノベーション促進税制の創設 ◆「賃上げ・投資促進税制」等の要件見直し ◆5G導入促進税制の創設 ◆連結納税制度の見直し(グループ通算制度) ◆地方拠点強化税制の見直し ◆接待飲食費の特例は大企業に限り廃止 |
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【時事解説】親子上場解消が相次ぐのはなぜか その2
最近の株式市場では、親子上場を解消する企業が増えています。親子上場とは親会社と子会社の両方が株式市場に上場している形態を指します。
解消する企業が増えた背景には、親子上場の弊害が挙げられます。実際、経営方針に関して親会社の決定により、子会社が損害を被る場合があります。一例を挙げると、親会社の意向で、子会社の事業を売却するといったことがあります。売却により、子会社の中核事業がなくなるといった弊害が生じたときに問題は大きくなります。ほかにも、親会社の意向に批判的な社外取締役を解任するなど、親会社と子会社の間で方針が相反する場合、問題が生じます。弊害を減らす点から、親子上場解消は企業経営の在り方として、一歩前進を意味します。また、子会社の取引先にとっても、リスク軽減といったメリットに繋がります。
そもそも、親子上場は日本特有の制度ともいえます。欧米にも親子上場はありますが、欧米では数年後に子会社の株式を第三者に売却して、親子の関係を解消するのが一般的です。なぜ、日本では親子上場が多いのでしょうか。それは、上場企業であることがステータスになっていることが一つとしてあります。「上場企業に勤めること」は従業員の意欲向上や採用といった点でプラスに働きます。こうした中、日本の株式市場では、約290社(2019年12月20日時点)が親子上場を維持しています。
他方、日本でも日立製作所のように2009年には20社以上あった上場子会社を3社まで減らした企業もあります。ほかにも、親子上場を解消する企業が増えていることから、親子上場への批判が高まる中、親子上場はデメリットの方が大きくなっているといえます。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
【時事解説】親子上場解消が相次ぐのはなぜか その1
最近の株式市場では、親子上場を解消する企業が増えています。親子上場とは親会社と子会社の両方が株式市場に上場しているケースを指します。たとえば、親会社の富士電機と子会社の富士通などが該当します。
先日、東芝は東芝プラントシステムなどの親子上場を解消すると発表しました。ほかにも、製薬会社や飲料会社など、親子上場解消の発表が相次いでいます。
背景にあるのは、従来からある、親子上場に対する批判です。親子上場のデメリットは、親会社と子会社で経営方針が相反する状態になったとき、顕著にあらわれます。親会社が経営の決定権を持つので、子会社は従わなければなりません。ただ、親会社の決定が子会社の企業価値の最大化につながるとは限らず、最悪、子会社の関係者や株主などが不利益を被ることになります。
親子上場の弊害に注目が集まるきっかけは、アスクル(オフィス用品ネット通販大手)とヤフーの対立が一つとしてあります。ヤフーは会計上、アスクルを連結子会社としています。その中、ヤフーはアスクルが運営する、「LOHACO(ロハコ・消費者向けネット通販サイト)」の事業譲渡を申し入れました。これが発端となり両社の関係は悪化。さらに、ヤフーはアスクルの社外取締役3人を解任することを決定します。社外取締役は独立性があり、中立の立場から企業をチェックする役割を担います。ヤフーが下した解任は、自社にとって都合の悪い人間を排除したようにもみえます。結果、ヤフーに批判が集まりました。親子上場を問題とする声はまだまだ収まりません。そして、今後も親子上場の解消を進める企業が増えることが予想されます。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
【時事解説】中小企業の防災・減災に向けた支援 その2
では、中小企業の防災・減災に向けてどのような支援が行われているのでしょうか。以下で、2019年7月に創設された事業継続力強化計画認定制度についてみていきましょう。
大規模な自然災害が全国各地で相次いで発生し、中小企業の事業継続にとって大きな脅威となる中、国は2019年1月に中小企業の災害対応力の強化に向けて「中小企業強靭化パッケージ」をとりまとめました。 同パッケージにおいて、公的認定制度の創設と認定事業者への支援が掲げられたことを受け、2019年7月に「中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律(中小企業強靱化法)」が施行され、同法において、防災・減災に取り組む中小企業がその取り組みを「事業継続力強化計画」としてとりまとめ、国が認定する制度が創設されました。
事業継続力強化計画の記載項目としては、事業継続力強化に取り組む目的の明確化、ハザードマップ等を活用した自社拠点の自然災害リスク認識と被害想定の策定、発災時の初動対応手順の策定、ヒト・モノ・カネ・情報を災害から守るための具体的な対策、計画の推進体制(経営層のコミットメント)、訓練実施や計画の見直し等実効性を確保する取り組みなどがあげられます。
認定を受けた企業に対する支援策としては、低利融資や信用保証枠の拡大等の金融支援、防災・減災設備に対する税制措置、補助金(ものづくり補助金等)の優先採択などがあげられます。
また、認定を受けた企業は、認定に関するロゴマークの使用が可能となり、会社案内や名刺などで認定のPRが可能となります。
このように中小企業の災害に対する事前対策を促進する取り組みが行われているのです。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
【時事解説】中小企業の防災・減災に向けた支援 その1
近年の自然災害の増加に伴い、中小企業においても防災・減災に向けて取り組むことが求められています。こうした状況を受け、中小企業庁編「中小企業白書2019年版」では中小企業における自然災害への備えについて取りまとめています。以下で、同白書において実施された「中小企業の災害対応に関する調査」にもとづき、被災による中小企業への影響についてみていきましょう。
災害時における過去の被災によって受けた被害内容について回答割合が高い順にみると、「役員・従業員の出勤不可(44.5%)」、「販売先・顧客の被災による、売上の減少(39.1%)」となっており、自社の被災だけでなく販売先・顧客の被災を要因とした事業上の損害も多く発生していることがわかります。被災によって被った物的損失額についてみると、従業員の規模に関わらず100万円以上の損害を受けた企業の割合が7割を超え、1,000万円以上の損害を受けた企業の割合も3割を超えていることがわかります。
中小企業の被災時における営業停止期間についてみると、従業員規模に関わらず、約半数が「営業は停止せず」と回答する一方で、4日以上営業を停止した企業の割合が3割を超えていることがわかります。
被災による営業停止期間別に、被災3か月後における被災前と比較した取引先数の推移についてみると、営業停止期間が長いほど、取引先数が減少する傾向にあることがわかります。
このように、自然災害が中小企業に与える影響として、大きな物的損害の発生に加えて、営業停止に陥る可能性もあり、営業停止が長引くにつれて取引先が減少することが懸念されることから、自然災害への事前対策がより一層重要になってくるのです。(つづく)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
《コラム》令和2年度税制改正大綱 個人所得課税(一般)編
◆個人課税は「人生100年時代」を意識
令和2年度の税制改正大綱が公表されました。個人課税は、人口減少・少子高齢化が進む中での「人生100年時代」に相応しい税制づくりを意識したものとなっています。
◆低未利用地等を譲渡した場合の特別控除
高齢化の進展に伴い、所有者自身が利用する意向のない土地の増加が予想されることから、特別控除制度が創設されました。
個人が都市計画区域内にある低未利用土地等を譲渡した場合において、一定の要件を満たすときは、長期譲渡所得金額から100万円を控除することができます(建物譲渡部分については適用されません)。
◆配偶者居住権等に係る譲渡所得の取扱い
令和2年4月より施行される民法の「配偶者居住権」「配偶者敷地利用権」について、取得費の取扱いが明記されました。
・配偶者居住権等の消滅時(対価受領)
居住建物等の取得費×配偶者居住権等割合-減価の額(居住権の設定日~消滅日)
・配偶者居住権等の消滅前
居住建物等の取得費-配偶者居住権等の取得費
◆未婚のひとり親に対する税制上の措置
昨年の改正で持ち越しとなっていた「未婚のひとり親」の寡婦(夫)控除は、令和2年分より控除できることとなりました。
適用要件は死別・離別の場合と同様です。寡婦に寡夫と同じ所得制限(500万円)が設けられます。
◆国外中古建物の不動産所得の損益通算特例
富裕層を中心に広まっていた国外不動産を利用した租税回避の防止策として、個人が国外中古建物を有する場合には、不動産所得の計算上、その損失額のうち国外中古建物の償却費相当額(簡便法適用)は、生じなかったものとみなすこととなりました。
◆住宅ローン控除の適用要件の見直し
新規住宅に居住した3年目に従前住宅等を譲渡した場合に、一定の措置法特例の適用を受けているときは、住宅ローン控除の適用はできないこととなりました。
◆その他の改正項目
国外居住扶養親族の扶養控除、医療費控除の添付書類の見直し等が図られています。
《コラム》人材確保と流出防止のため仕事と介護の両立支援を
◆あなたの会社にサンドイッチ世代は何人?
サンドイッチ世代とは、子育てと親の世話を同時に行っている世代のことです。40代、50代という企業の中核を担う世代でありながら、育児と介護の負担によって仕事と両立できず離職してしまう……そんなリスクをもった世代ともいえます。近年では女性だけではなく男性の介護離職の割合が高まっており、この離職防止のための両立支援を重要視する企業が増えています。
◆育児と介護の支援は同じ??
仕事との両立支援として、育児と介護は同様に重要な観点ですが、その内容は大きく異なります。例えば、育児は準備期間があり子供が成長すれば一定の区切りがつきますが、介護はある日突然で、どのぐらいの期間続くのか見通しがつかない場合がほとんどでしょう。一方で、介護は育児よりも日々の時間的な制約が緩やかともいわれています。介護の現状は多様であり、育児と同じ施策のラインナップでは十分とはいえず、従業員の状況を把握したうえでの施策の検討が必要です。
では、どのような支援策があるのでしょうか。
◆中小企業に特化した助成金の活用
従業員には、93日間の介護休業があります。この休業期間は、介護のためだけではなく、働きながら介護できる体制作りのための期間でもあり、必要なタイミングで取得できるよう3回まで分割が可能です。介護休暇制度や介護休業中に受けられる介護休業給付金(休業開始前賃金の67%相当)もあります。
企業に対しては、「介護離職防止支援助成金」の制度があり、今年度は中小企業に特化し、支給上限を拡大する改正が行われました。具体的には、「介護支援プラン」を策定したうえで、例えば、従業員が介護休業を取得する、あるいは新たに介護のための制度(フレックスタイム制度や労働時間短縮制度など)を導入、活用するなどの要件を満たすと、36万円(1年度5人以内)までの助成金が受けられます。
(制度詳細は⇒https://www.mhlw.go.jp/content/000527589.pdf)