国税庁は、「住宅宿泊事業法に規定する住宅宿泊事業(いわゆる「民泊」)により生じる所得の課税関係等について(情報)」を公表しました。 民泊は、宿泊者の安全等の確保や一定程度の宿泊サービスの提供が宿泊施設の提供者に義務付けられており、利用者から受領する対価には、部屋の使用料のほか、家具等の賃貸料やクリーニング代、水道光熱費、室内清掃費、日用品費、観光案内等の役務提供の対価などが含まれます。 (後編へつづく) (注意) |
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カテゴリー: その他税務
《コラム》投資促進税制と2分の1簡便償却
◆リース税額控除とは
中小企業の設備投資を促進させるために、「中小企業投資促進税制」として、機械や器具備品を新規に取得した場合にその取得価額の30%の特別償却か7%の税額控除のいずれかを選択適用で認めてきました。ただ資金に余裕のない中小企業の場合は新たな設備投資をリースで行う場合が多いため、リースの場合は税額控除だけを認めてきました。これが所謂「リース税額控除」です。
◆器具備品はダメ
リース会社も大いに「リース税額控除」を宣伝し進めてきました。その中心となったのは、パソコンサーバーとコピーやプリンターFAXが1台で出来る複合機です。
ところが平成29年の税制改正でこのパソコンサーバーと複合機が「中小企業投資促進税制」の対象資産から外されました。
どういうことかと言うと、対象資産から「器具備品」が除外されパソコンサーバーと複合機は「器具備品」ということで除外されたのです。そうすると残るのは「機械装置」だけとなり、製造業以外の業種ではほとんど使えなくなりました。当然30%の特別償却も使えなくなってしまいました。
◆設備投資はいつ行われるのか?
中小企業が設備投資を行う時期は、決算間際です。多くの中小企業は利益が出ることが明確になった時点で来期に向け設備投資を行おうとするのです。ところが現在の税制では決算間際に設備投資をしても減価償却が月数按分され1/12しかできず、節税効果が少ないため「投資促進税制」で30%の特別償却や7%の税額控除を認めてきたのだと思います。
ところが、中小企業が必要とする設備投資は業種業態により様々です。それを行政がこれなら良くてあれはダメ等と口をはさむから「投資促進税制」と銘打っても投資が促進されないのです。
◆2分の1簡便償却の復活を
かつて2分の1簡便償却という制度がありました。これは決算間際に購入したどんな資産(建物は除く)でも年間の償却額の半分は償却できるというものです。1998年橋本内閣の時に廃止され一気に景気が冷え込んだことがあります。中小企業の投資を促進するなら2分の1簡便償却の復活が望まれます。
《コラム》来年には法規制?ふるさと納税をめぐる動き
◆年末の恒例になりつつあるふるさと納税 ◆今は「高すぎるもの」も見逃されている ◆来年法規制……という事は今年は? ◆配偶者特別控除絡みで上限にはご注意を! |
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住宅エコポイント復活へ
省エネ性能の高い住宅を新築・リフォームした際にポイントが付与される「住宅エコポイント制度」が、消費増税を機に4年ぶりに復活する見通しです。増税に伴う駆け込み需要の反動減を抑えるため、国土交通省が制度の導入に向けて検討に入りました。
住宅エコポイント制度とは、環境に配慮した住宅の新築やリフォームを行った人に対し、商品やサービスと交換できるポイントを付与する制度。これまで2010年、12年、15年に期間限定で実施されたことがあり、今回で3度目の復活となります。
制度の対象となる工事や付与ポイントは実施時期ごとに異なります。15年には一定の省エネ基準を満たした住宅の新築に1戸あたり30万ポイント、窓や外壁の断熱化といったリフォームに1戸あたり最大30万ポイント、耐震改修でさらに15万ポイント上積みして最大45万ポイント付与する制度でした(1ポイント=1円相当)。
発行されたポイントは、省エネ商品や地域振興券に交換できたほか、ポイントの対象となった工事の施工者が追加的に実施する工事の費用に充てることもできました。新制度の対象工事やポイント数については国交省と財務省が協議して決めます。
個人がエコポイントを商品交換や追加工事費用に充てた場合、その金額は基本的に生命保険の一時金や競馬の払戻金と同じ「一時所得」として所得税の課税対象となります。一時所得には50万円までの特別控除枠があり、他の一時所得と合わせて50万円を超えると課税されます。なお、そのポイントが業務のために使う住宅の新築・リフォームに伴って付与されたのであれば、事業所得または不動産所得として計上することになります。
<情報提供:エヌピー通信社>
今月の税務トピックス② 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹
≪利用方法≫ Ⅱ 適用関係(平成30年度改正国通規附則③) おわりに |
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今月の税務トピックス① 税理士法人右山事務所 所長 宮森俊樹
QRコードを利用したコンビニ納付
はじめに
国税を納付しようとする者は、納付金額が30万円以下で税務署が作成(郵送)したバーコード付納付書に基づき納付しようとする場合には、国税庁長官が指定する納付受託者(コンビニエンスストア)に納付を委託(以下単に「コンビニ納付」といいます。)することができることとされています(国通法34の3①)。
ただし、現行の国税のコンビニ納付については、自宅及び税務署以外の会場等で電子申告を行う場合には、改めて税務署からバーコード付納付書を取り寄せてコンビニ納付を行う必要がありました。
そこで、平成30年度税制改正では、納税者の利便性の向上を図る観点から、コンビニ納付の利用手段が拡充され、二次元コード(いわゆるQRコード)を利用したコンビニ納付が可能となりました。
本稿では、拡充されたQRコードを利用したコンビニ納付制度の概要及びその実務上の留意点について解説することとします。
Ⅰ 改正の内容(国通規2②二)
コンビニ納付を利用できる納付書の範囲に、コンビニにより作成された納付書が追加されます。具体的には、コンビニ納付を行おうとする納税者が、自宅等において国税庁ホームページを利用して納付に必要な情報をQRコード化し、コンビニの端末機で読み取り納付書を出力することによって、コンビニ納付ができることとされます。
≪図表:QRコードを利用したコンビニ納付≫
(今月の税務トピックス②につづく)
【時事解説】二重ローンを避けるノンリコースローン その2
リコースローンとノンリコースローンの違いは突き詰めると、融資対象である住宅の値下がりや毀損リスクを誰が負うのかということに帰着します。リコースローンは住宅がどんなに値下がりしても、あるいは無くなってしまっても、(資金を)融資した側は借入者に返済を請求できるのですから、物件の値下がりリスクは借入人が負うことになります。一方、ノンリコースローンは物件の値下がり、毀損リスクは(資金を)融資した金融機関が負うことになります。
日本では住宅ローンと言えば、リコースローンだと思われていますが、ノンリコースローンによる住宅ローンの商品設計も可能なはずです。貸出側が物件の毀損リスクを負うのですから、金融機関が保険を掛けることになるでしょう。その分ローン金利は旧来のリコースローンの場合に比べて高くなると考えられます。ただ、地震保険を個人で掛けるのに比べれば、金融機関側でまとめて掛けた方が、安くなるというメリットは生じるかもしれません。
金利が高くても物件の毀損リスクを負わないノンリコースローンにするか、金利は低いが毀損リスクを引き受けるリコースローンにするかを借入人が選択できれば、借入人の満足度は向上するはずです。災害多発国である日本ではノンリコースの住宅ローンには相応のニーズがあると思いますから、少なくとも商品メニューはあっても不思議ではありません。
金融機関は今、マイナス金利による利ザヤの縮小に加え、貸し出し需要の減少に苦しんでいます。しかし、自らの環境を巡る不平を言う前に、顧客のニーズを本当に捉えられているか自省してみるべきではないでしょうか。(了)
(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)
(後編)再調査の請求、審査請求、訴訟の概要を公表!
(前編からのつづき) また、国税不服審判所への審査請求の発生件数は、申告所得税等(63.1%増の910件)などほとんどの税目が増加したことから、全体では前年度から18.7%増の2,953件となりました。 一方、訴訟となった発生件数は、所得税(32.5%減の54件)や法人税(21.1%減の30件)などが減少したことから、全体では前年度を13.5%下回る199件となりました。 (注意) |
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(前編)再調査の請求、審査請求、訴訟の概要を公表!
国税庁・国税不服審判所は、再調査の請求、審査請求、訴訟の概要を公表しました。
納税者が国税当局の処分に不満がある場合は、税務署等に対する再調査の請求や国税不服審判所に対する審査請求という行政上の救済制度と訴訟を起こして裁判所に処分の是正を求める司法上の制度があります。
概要によりますと、2017年度(2018年3月までの1年間)の再調査の請求・審査請求・税務訴訟を通しての納税者救済・勝訴割合は9.9%となりました。
再調査の請求の発生件数は、消費税(30.8%増の633件)などの税目が増加したことから、全体では前年度から8.4%増の1,814件となりました。
処理件数は、「取下げ等」208件、「却下」200件、「棄却」1,105件、「一部取消」173件、「全部取消」40件の合計1,726件(前年度比4.4%減)で、納税者の主張が一部でも認められたのは計213件、処理件数全体に占める割合(救済割合)は前年度を5.5ポイント上回る12.3%となりました。
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、平成30年10月18日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
(前編)文部科学省:2019年度税制改正要望を公表!
文部科学省は、2019年度税制改正要望を公表しました。
それによりますと、高等教育の無償化の実施に伴う授業料・入学金の減免措置及び給付型奨学金に係る非課税措置を盛り込んでおります。
これは、「新しい経済政策パッケージ」(平成29年12月8日閣議決定)において、真に支援が必要な低所得世帯の子供たちの高等教育無償化を実現し、2020年4月から実施することとされ、「経済財政運営と改革の基本方針2018」(平成30年6月15日閣議決定)においても同様の内容が記載されております。
高等教育の無償化は、大学・短期大学・高等専門学校・専門学校の、授業料・入学金の減免及び給付型奨学金の拡充をするものです。
真に支援が必要な低所得世帯の子供たちに限って、大学などの高等教育無償化を実現するため、住民税非課税世帯(年収270万円未満)の子どもたちの授業料等の減免措置を拡充するとともに、学生生活を送るのに必要な生活費を賄えるよう給付型奨学金の拡充を2020年4月から実施します。
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、平成30年10月8日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。