◆平成30年から改正適用となります ◆本人の所得によって変動する配偶者控除 ◆配偶者特別控除の変動 ・本人の所得900万円以下 →配偶者特別控除額:38万円~3万円 ◆「103万円の壁」は無くなったが…… |
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カテゴリー: 所得税
(後編)国税庁:2016事務年度の富裕層に対する調査事績を公表!
(前編からのつづき)
また、消費税の無申告者に対しては、2016事務年度において実地調査(特別・一般)8,816件(前事務年度8,119件)が行われた結果、追徴税額135億円で、1件あたり153万円となりました。
2016事務年度の消費税に係る実地調査全体は2万8,211件行われておりますので、全体の約31%が無申告者に対する調査に充てられ、消費税の実地調査全体の追徴税額221億円の約61%が無申告者に係るものになります。
調査事例では、数年おきに他人名義で所得税の申告を行うことで、自身が実質所得者であることを隠し、消費税の課税を不正に免れていた高級バーを営む事例があります。
事業者Aは、消費税が無申告だけでなく、自身が負担する友人名義の所得税申告に係る所得税を減らすため、現金売上の除外や各経費の計上などを行っていた事実も判明され、Aに対して所得税7年分の申告漏れ所得金額約5,300万円について重加算税込みの約1,000万円の追徴税額及び消費税5年分の重加算税込みの約1,400万円が追徴されております。
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
(前編)国税庁:2016事務年度の富裕層に対する調査事績を公表!
国税庁は、2016事務年度(2017年6月までの1年間)の富裕層(有価証券・不動産等の大口所有者、経常的な所得が特に高額な者など)に対する調査事績を公表しました。
それによりますと、2016事務年度に実施した高額・悪質と見込まれた無申告者に対する実地調査は7,612件(前事務年度7,445件)行われ、実地調査の結果、申告漏れ所得金額の総額は1,406億円(前事務年度1,465億円)となりました。
追徴税額は、総額146億円(同150億円)で、1件あたり192万円(同202万円)となりました。
2016事務年度は実地調査全体(特別・一般)が4万9,012件行われておりますので、全体の約16%が無申告者に対する調査に充てられ、実地調査全体の申告漏れ所得金額4,499億円の約31%が無申告者に係るものとなりました。
1件あたりの申告漏れ所得金額は1,847万円で、前事務年度の1,968万円から6.1%減少したものの、実地調査全体の1件あたり申告漏れ所得金額918万円の約2倍増となり、調査件数も前事務年度に比べて2.2%増加しました。
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
(前編)2020年4月から大法人の法人税等の電子申告が義務化へ!
2020年4月1日から、大法人の法人税・消費税の確定申告書、中間申告書、修正申告書等の提出の電子申告(e-Tax)が義務化されます。
この背景には、経済社会のICT化が進展するなか、税務手続きにおいてもICT化を推進し、納税者の利便性及び行政コストの削減や効率性の向上等を図るものとみられております。
なお、大法人とは内国法人のうち事業年度開始時において資本金等が1億円超の法人並びに相互会社、投資法人、特定目的会社等をいいます。
電子申告の義務化に伴い、申告書に係る添付書類も電子申告による提出が求められますが、法人税の確定申告書、中間申告書、修正申告書の添付書類については、光ディスク等による提出も認められます。
電気通信回線の故障や災害などで電子申告を行うことが困難と認められる場合には、書面により申告書が提出できると認められるときは、所轄税務署長の承認を受けて、法人税・消費税の申告書及びその添付書類を書面により提出できるとしております。
(後編へつづく)
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月9日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
最新裁決事例に役員退職金での争い
国税不服審判所は3月下旬、最新の裁決事例をホームページ内に追加しました。税目別にみると、国税通則法4件、所得税法2件、法人税法3件、消費税法2件、国税徴収法1件。法人税法では、会社と国税当局の間で見解が分かれることが多い役員退職金をめぐる事例が追加されています。
役員退職金をめぐる争いは、役職の分掌変更後に支払った金銭を会社の損金にできるか否かで見解が分かれました。代表取締役だったAさんは入院とその後の通院を契機に平成23年に代表取締役社長を辞任し、代表権のない取締役会長に分掌変更。Aさんは「退職慰労金」を受け取り、会社はその支払い分を損金としています。税務上、会社の役員が実際に退職していなくても、分掌変更で「役員としての地位または職務の内容が激変したと認められる場合」は、役員退職金として損金にすることが可能となっています。
ただ、Aさんは分掌変更後も仕入れ単価の決定や得意先の接待など経営に深く関わっていました。また、Aさんの役員給与の額は社長辞任後に半額以下になったものの、後任の代表取締役よりも高額な状態でした。そのため税務署は、地位や職務が激変したとは認められず、税務上は「退職した事実はない」と判断。そして、Aさんへの会社の支払いは損金にできる役員退職金ではなく、損金算入が不可の役員給与として課税処分を行いました。審判所も税務署の処分を適法と判断し、Aさんの主張を退けています。
役員退職金は「適正額」をめぐって国税当局と争いになることも多いのが実情です。金額が過大と判断されると損金算入が否認されます。顧問税理士に相談しながら適正額を決めるようにしたいところです。
<情報提供:エヌピー通信社>
同名他社の口座差し押さえ
茨城県那珂市は4月2日、市民税などを滞納した会社の預金口座を差し押さえる際、誤って同名の別会社の預貯金を差し押さえていたことを公表しました。会見した海野徹市長は「関係する方々に深くおわびする」と陳謝しています。
滞納をしていたのは水戸市の会社で、那珂市に住民票のある従業員1人について、給与から源泉徴収する個人市民税・県民税を6万4千円分納めていませんでした。市は滞納分の徴収のために金融機関に会社の口座を照会し、その際に金融機関は誤って同名の別会社の口座について回答してしまったそうです。しかし市は住所の確認を怠り、そのまま預金を差し押さえたとのことです。誤徴収された会社が預金の不足に気付いて発覚し、市は全額を返金しました。誤った差し押さえによる損害が今後生じれば、賠償に応じるとしています。
自治体の人違いによる同名別人の差し押さえは全国で起きています。昨年7月には熊本市が、固定資産税の滞納を巡って同姓同名の別人の預金を差し押さえるというケースがありました。また9月にも神奈川県茅ヶ崎市で、同姓同名で生年月日も同じ別人の生命保険解約返戻金を差し押さえるミスが発生しています。差し押さえのミスによって損害が生じれば、その賠償もまた税金で賄われることになるだけに、徴収事務に携わる自治体の意識の低さが露呈していると言われてもやむを得ないところです。
<情報提供:エヌピー通信社>
(後編)国税庁:2016年分の国外財産調書の提出状況を公表!
(前編からのつづき)
国外財産に係る所得税や相続税の課税の適正化が喫緊の課題となっていることから、納税者本人から国外財産の保有について申告を求める仕組みとして、2014年1月から施行された国外財産調書提出制度は、その年の12月31日においてその価額の合計額が5千万円を超える国外財産を有する居住者は、翌年3月15日までにその財産の種類や数量及び価額その他必要な事項を記載した国外財産調書を税務署長に提出しなければなりません。
国外財産調書は、自主的に自己の情報を記載し提出するものであることから、インセンティブ措置等が設けられております。
具体的には、調書を期限内に提出した場合には、記載された国外財産に係る所得税・相続税の申告漏れが生じたときであっても加算税を5%軽減すること、調書の提出がない場合又は提出された調書に国外財産の記載がない場合、その国外財産に関して所得税の申告漏れが生じたときには加算税を5%加重すること、そして2015年からは故意の不提出や虚偽記載に対しては、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科されますので、該当されます方はご確認ください。
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。
《コラム》事業年度報告あれこれ
◆税務署への決算申告だけではない? ◆許認可を管轄する官公庁にも忘れずに ◆法人形態によっても様々 ◆決算後には報告義務の再確認を |
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交際費の支出総額5年連続増
全国の会社が支出した交際費の総額が平成24年度から5年連続で増加していることが、国税庁の会社標本調査で明らかになりました。交際費は税務調査で必ずと言っていいほど支出の実態について調べられる項目であり、支出額が年々増えるなかで税務署はより一層厳しい目で見るようになっています。
国税庁が3月30日に公表した「会社標本調査」によると、平成28年度に全国の法人267万2033社が支出した交際費の総額は3兆6270億円で、前年度の3兆4838億円から4.1%の増加となりました。伸び率は26年度の5.4%、27年度の7.2%と比べると鈍化していますが、平成19年度から23年度まで5年連続で前年度比マイナスだった分を、24年度からの5年で穴埋めし、28年度に10年前(3兆6816億円)とほぼ同額に戻したことになります。
会社が交際費の税務でまず押さえておかなければならないのは、交際費の損金算入額には制限が設けられている点です。損金にできる交際費の額は、①交際費のうち800万円以内の額、②交際費のうち「接待飲食費」の半額――のうちの高い金額となっています。どちらを選択すべきかは、接待飲食費だけで1600万円を超えるか否かで判断します。超えているならその半額の800万円以上を損金にできるので②が有利となります。なお、資本金1億円超の大企業は①は適用できないので、交際費の支出内容にかかわらず接待飲食費の半額を損金にすることになります。
<情報提供:エヌピー通信社>
(後編)民間税制調査会:2018年度税制改正に対する見解を公表!
(前編からのつづき)
また、森林環境税については、既に類似の税金が多くの自治体の法定外税として導入されており、例えば、長野県の森林税などは積み残し税額がすでに5億円にも達し、森林税の廃止までが提唱されており、こうしたなかで、このような税を「国税として徴収する意味が本当にあるのか疑わしい」との疑義を呈しており、導入を再検討すべきとし、仮に実施したら3年後にその成果を検証し、国民に選挙で問うべきだと主張しております。
そして、「選挙で税制改正の争点を出して、きちんと争うべき」ことと「増税の必要性を、政治家(特に与党)は責任を持って主張すべき」ことも強く主張しております。
民間税制調査会とは、大学教授や弁護士等で構成され、税制を主権者である納税者の目線から分析し、提言する研究政策提言集団で、政府による税制改正の説明は分かりにくく問題も多いとして、2018年度税制改正についても、重要なテーマに絞って、国民のための税制改革を提言するとしております。
今後の税制改正の動向に注目です。
(注意)
上記の記載内容は、平成30年4月2日現在の情報に基づいて記載しております。
今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。