ジュニアNISAの創設

概要

 20歳未満の居住者等について、未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡 所得等の非課税措置(いわゆるジュニアNISA)が創設されました。

 この改正は、平成28年1月1日以後に未成年者口座の開設の申込みがされ、同年4月1日 から当該未成年者口座に受け入れる上場株式等について適用されます。

払出制限

 未成年者口座内の上場株式等は、当該未成年者口座を開設した日から居住者等がその年3月 31日において18歳である年(以下「基準年」といいます。)の前年12月31日までの間、課税 未成年者口座(居住者等が未成年者口座を開設している金融商品取引業者等の営業所等に開設し た特定口座等をいいます。)以外の口座への払出しが制限されています。  また、課税未成年者口座内の上場株式等及び預貯金等は、当該課税未成年者口座を開設した居 住者等の基準年の前年12月31日までは、その資金を未成年者口座又は課税未成年者口座におけ る投資に用いる場合を除き、原則として当該課税未成年者口座から払い出すことはできません。

 ただし、居住者等が、災害等の一定の事由(当該事由が生じたことにつき税務署長の確認を受 けた場合に限ります。)に基因して当該未成年者口座及び課税未成年者口座内の上場株式等及び 金銭その他の資産の全てを払い出す場合は、この限りではありません。

 未成年者口座及び課税未成年者口座の開設者が、基準年の前年12月31日までに、これらの口座 内の上場株式等及び預貯金等をこれらの口座から払出しをした場合には、当該払出しがあった日にお いて上場株式等の譲渡又は配当等の支払があったものとして、それぞれ次の金額に対して15%(他 に地方税5%)の税率により源泉徴収されます。

 ① 次に掲げる金額の合計額から、当該未成年者口座を開設した日から当該払出しがあった日までの 間に当該未成年者口座において取得した上場株式等の取得対価の額等の合計額を控除した金額

 イ 当該未成年者口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に、当該未成年者口座にお いて行われた上場株式等の譲渡に係る譲渡対価の額及び当該未成年者口座から課税未成年者口 座に移管がされた当該移管の時における上場株式等の価額(時価)の合計額

 ロ 当該払出しがあった日において当該未成年者口座において有する上場株式等の価額(時価)の 合計額

 ② 当該未成年者口座を開設した日から当該払出しがあった日までの間に当該未成年者口座におい て支払を受けた上場株式等の配当等の額の合計額

 

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鈴木税務会計事務所

非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA)の改正

改正点の概要

 非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置(NISA) について、非課税口座に設けられる各年分の非課税管理勘定に受け入れることができる上場 株式等の取得対価の額の限度額を 120 万円(現行:100 万円)に引き上げる改正が行わ れました。

 この改正は、平成 28 年分以後の非課税管理勘定について適用されます。

 

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国外居住親族に係る扶養控除等の厳格化

概要

 非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける場合には、当該親族に係る親族関係 書類及び送金関係書類を提出又は提示しなければならないこととされました。

 この改正は、平成28 年1月1日以後に支払われる給与等及び公的年金等並びに平成28 年分以後の所得税について適用されます。

源泉徴収事務の注意点

⑴ 給与等又は公的年金等の源泉徴収において、非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除 又は障害者控除(以下「扶養控除等」といいます。)の適用を受ける居住者(納税者)は、当該親 族に係る「親族関係書類」を源泉徴収義務者に提出する扶養控除等申告書等に添付し、又は その申告書等の提出の際に提示しなければならないこととされました。

 「親族関係書類」とは、次の①又は②のいずれかの書類で、その非居住者がその居住者(納税者) の親族であることを証するものをいいます。

 ① 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及びその親族の旅券の写し

 ② 外国政府又は外国の地方公共団体が発行した書類(その親族の氏名、生年月日及び住所又は居 所の記載があるものに限ります。)

⑵ 給与等の年末調整において、非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける居住者(納 税者)は、「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出する扶養控除等申告書に添付し、又はその 申告書の提出の際に提示しなければならないこととされ、非居住者である配偶者に係る配偶者特 別控除の適用を受ける居住者(納税者)は、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を源泉徴収 義務者に提出する配偶者特別控除申告書に添付し、又はその申告書の提出の際に提示しなければ ならないこととされました。

 「送金関係書類」とは、次の書類でその居住者(納税者)がその非居住者である親族の生活費又 は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

 ① 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引によりその居住者(納税者)か らその親族に支払をしたことを明らかにする書類

 ② いわゆるクレジットカード発行会社の書類又はその写しで、そのクレジットカード発行会社が 交付したカードを提示してその親族が商品等を購入したこと等及びその商品等の購入等の代金に 相当する額をその居住者(納税者)から受領したことを明らかにする書類

⑶ 確定申告において、非居住者である親族に係る扶養控除等又は配偶者特別控除の適用を受ける 場合には、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を確定申告書に添付し、又は確定申告書の提 出の際提示しなければならないこととされました。ただし、上記⑴又は⑵により提出し、又は提 示したこれらの書類については、確定申告書に添付又は提示する必要はありません。

⑷ 上記⑴~⑶において、「親族関係書類」又は「送金関係書類」が外国語により作成されている 場合には、訳文を添付等する必要があります。

ふるさと納税

ふるさと納税の概要

 都道府県・市区町村に対する寄附金のうち、2,000円を超える部分について、一定限度額まで、原則として所得税と合わせて全額が控除されます。

 なお、所得税・住民税から寄附金控除の適用を受けるためには、確定申告を行う必要があります。

 

「ふるさと寄附金」を支出した者が地方公共団体から謝礼を受けた場合の課税関係

 寄附者が特産品を受けた場合の経済的利益は、一時所得に該当します。なお、その年中に他に一時所得に該当するものがないときには、課税関係は生じません。

 所得税法上、各種所得の金額の計算上収入すべき金額には、金銭以外の物又は権利その他経済的利益の価額も含まれます(所得税法第36条第1項)。
 ふるさと寄附金の謝礼として受ける特産品に係る経済的利益については、所得税法第9条に規定する非課税所得のいずれにも該当せず、また、地方公共団体は法人とされていますので(地方自治法第2条第1項)、法人からの贈与により取得するものと考えられます。
 したがって、特産品に係る経済的利益は一時所得に該当します(所得税法第34条、所得税基本通達34-1(5))。

少人数私募債

従前の取り扱い

同族会社が発行した社債の利子をオーナーが受け取った場合には、所得税15%+住民税5%の源泉分離課税で課税関係が完結します。そのため、総合課税の所得税率が20%を超えていれば、同族会社から役員報酬のみを受け取るよりも、その役員報酬の一部を社債の利子に組み替えて受け取ったほうが納税額は少なくなり、所得税の節税のために少人数私募債は利用されてきました。

平成25年度税制改正

同族会社が発行した社債(特定公社債に該当するものを除く)の利子等で、その株主(役員)等が支払を受けるものは、総合課税の対象とされることとなったものの、改正の対象は平成28年以後発行分の社債とされたことから、平成27年12月31日までに発行した少人数私募債については、平成28年以降であっても分離課税が適用されるとされていました。

平成26年度税制改正

「平成27年12月31日以前に発行された公社債」の範囲から、同族会社が発行した社債が除外されることとなるため、同族会社の株主(役員)等が支払を受ける少人数私募債の利子は、平成27年12月中に支払を受けるべきものであれば20%(所得税15%、住民税5%、所得税には復興特別所得税を付加)の源泉分離課税が適用されますが、平成28年1月以後に支払を受けるべきものからは総合課税が適用されることとなります。

ゴルフ会員権の譲渡所得

概要

平成26年4月1日以後に行ったゴルフ会員権の譲渡により生じた損失は、原則として、給与所得など他の所得と損益通算することはできません。

平成26年3月31日までに行ったゴルフ会員権の譲渡により生じた損失は、給与所得など他の所得と損益通算することができます。

ただし、ゴルフ場経営法人が破産した場合など損益通算できない場合があります。

課税方法

ゴルフ会員権は、特定の会社の株主にならなければ、会員となれない会員権とその他の会員権とに区分されますが、これらの会員権を売ったときの所得は、いずれも譲渡所得として給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象となります。

計算方法

 この場合の所得金額の計算は、その会員権の所有期間に応じて次のとおりとなります。

(1) 所有期間が5年以内のもの(短期譲渡所得)

譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 )- 50万円 ( 特別控除額(注)) = 課税される金額

(2) 所有期間が5年を超えるもの( 長期譲渡所得 )

{ 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 )- 50万円( 特別控除額(注)) } X 1/2=課税される金額

(注) 譲渡所得の特別控除の額は、その年のゴルフ会員権の譲渡益とそれ以外の総合課税の譲渡益の合計額に対して50万円です。これらの譲渡益の合計額が50万円以下のときはその金額までしか控除できません。
また、(1)と(2)の両方の譲渡益がある場合には、特別控除額は両方合わせて50万円が限度で、(1)の譲渡益から先に控除します。

平成26年6月

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商業・サービス業等活性化税制

制度の概要

平成25年度税制改正で商業・サービス業の設備投資を応援する税制が創設され、この制度を活用すれば設備を使い始めた年度の減価償却費を増やす(30%の特別償却)か、税額の控除(7%)が受けることができます。

税額控除は、個人事業者又は資本金3000万円以下の法人のみが選択できます。
税額控除される額は取得価格の7%又は税額の20%のいずれか低い額となります。
ファイナンスリース取引のうち所有権移転外リースで取得した設備の場合、特別償却は選択できません。

対象者

青色申告書を提出する中小企業者等

中小企業者等とは、以下のような方々です。
「個人」 :常時使用する従業員が1000人以下の個人事業者
「法人」 :資本金の額が1億円以下の法人(資本金1億円超の大規模法人の子会社を除く。)
従業員が1000人以下の資本を有しない法人
「その他」:商店街振興組合、中小企業等協同組合など

適用要件

①経営革新等支援機関等からの経営改善に関する指導及び助言を受けていること

②「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に、税制措置を受けようとする設備が記載されていること

経営革新等支援機関等で経営改善に関する指導及び助言を受けたことが税制措置の適用要件
になるため、経営革新等支援機関等から指導及び助言を受けたことを明らかにする書類(取
得する設備の記載等がされているものです。イメージを最後につけています。)の写しを申
告書に添付することが必要です。

 

③「指導及び助言を受けたことを明らかにする書類」に記載された設備を実際に取得をして、中小企業者等の営む商業、サービス業等の事業の用に供すること

・本税制措置の対象となる設備は、「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」別表第1の 「建物附属設備」で60万円以上のもの及び「器具及び備品」で30万円以上のものです。
・中古品は対象には含まれません。
・「商業、サービス業等」とは以下の事業です。
卸売業、小売業、情報通信業、一般旅客自動車運送業、道路貨物運送業、倉庫業、港湾運送 業、こん包業、損害保険代理業、不動産取引業、不動産賃貸業・管理業、物品賃貸業、専門 サービス業、広告業、技術サービス業、宿泊業、飲食店業、洗濯・理容・美容・浴場業、そ の他の生活関連サービス業、社会保険・社会福祉・介護事業、サービス業(教育・学習支援 業、映画業、協同組合、他に分類されないサービス業(廃棄物処理業、自動車整備業、機械 等修理業、職業・労働者派遣業、その他の事業サービス業))、農業、林業、漁業

適用期間

平成25年4月1日から平成27年3月31日までに対象設備を取得し、かつ、指定事業に使用する。

 

平成26年6月

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ゴルフ会員権等の譲渡損失の損益通算 平成26年度税制改正

改正の内容

改正前は、ゴルフ会員権を売ったことにより生じた損失は、事業所得や給与所得など他の所得と損益通算することができましたが、この取扱いが平成26年3月31日までに行われる譲渡をもって廃止となりました。

平成26年4月1日以後に行ったゴルフ会員権の譲渡により生じた損失は、原則として、給与所得など他の所得と損益通算することはできません。

 

平成26年6月現在

 

給与所得控除の縮小 平成26年度税制改正

給与所得控除の改正の概要

給与収入に対する課税については、収入額に対してそのまま課税されるのではありません。収入を得るための経費があるものとみなし、収入に応じた一定の控除額(給与所得控除額)を差し引いた後の金額に課税されています。

現在、給与所得控除額は年収1500万円時における245万円を上限とされています。この上限額が次のように引き下げられ、下記年収額を超える人にとっては所得税負担が増えることになります。

現  行  平成28年分の所得税  平成29年分の所得税
  上限が適用される給与収入  1,500万円  1,200万円  1,000万円
 給与所得控除の上限額  245万円  230万円  220万円

 

平成26年6月現在

障害者雇用に係る税制上の優遇措置

障害者雇用に係る税制上の優遇措置の概要

障害者を多数雇用したり、障害者施設への業務の発注を行うなど、障害者の雇用や
就業に積極的な企業は、税制優遇制度を利用することができます。
法人税(個人事業主の場合は所得税)や事業所税、不動産取得税、固定資産税の優遇
措置が受けられます。

利用できる税制優遇制度

1 機械等の割増償却措置(法人税・所得税)
2 「障害者の働く場」に対する発注促進税制(法人税・所得税)
3 助成金の非課税措置(法人税・所得税)
4 事業所税の軽減措置
5 不動産取得税の軽減措置
6 固定資産税の軽減措置

税制優遇制度の概要

1 機械等の割増償却措置(法人税・所得税)
障害者を多数雇用する事業所が減価償却を行う際、その事業年度、またはその
前5年以内に開始した各事業年度に取得・製作、建設した機械や設備などについて、
普通償却限度額に加えて、機械は24%、工場用建物は32%の割増償却をすること
ができます。

2「障害者の働く場」に対する発注促進税制(法人税・所得税)
就労移行支援事業所や特例子会社など、障害者を雇用している事業所(「障害
者の働く場」)への業務発注額を前年度より増加させた場合、過去3年間に取得、
製作、建設した減価償却資産について、発注額の増加額分の割増償却(対象とな
る減価償却資産の普通償却限度額の30%を限度)を行うことができます。

3 助成金の非課税措置(法人税・所得税)
国や地方公共団体の補助金、給付金、障害者雇用納付金制度に基づく助成金※
の支給を受け、それを固定資産の取得または改良に使った場合、その助成金分に
ついては、圧縮記帳により損金算入(法人税)、または総収入金額に不算入(所
得税)とすることができます。

4 事業所税の軽減措置
・資産割
障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて施設の設置を行った場合、
その施設で行う事業にかかる事業所税について、課税標準となるべき事業所床面
積の2分の1に相当する部分について控除できます。
・従業員割
事業所税の課税標準となるべき従業員給与総額の算定について、障害者に支払
う給与総額を控除できます。

5 不動産取得税の軽減措置
障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて事業用施設を取得し、
引き続き3年以上、事業用に使用した場合には、その施設の取得に伴う不動産取
得税について、取得価格の10分の1相当額に税率を乗じた額が減額されます。

6 固定資産税の軽減措置
障害者を多数雇用する事業所が助成金の支給を受けて事業用施設を取得した場
合には、その施設についての固定資産税の課税標準は、当初5年度分に限り、
課税標準となるべき価格から取得価格の6分の1に障害者雇用割合を乗じた金額
が減額されます。

平成26年6月現在