経営革新で最大200万円補助

中小企業庁は6月8日まで、事業承継をきっかけにして経営革新や事業転換に取り組む企業を対象にした「事業承継補助金」を公募しています。補助上限は取り組みによって2パターンに分かれていて、新商品の開発などの「経営革新」は200万円、既存事業の廃止などの「事業転換」は500万円となっています。

 補助金は事業承継後の取り組みに掛かった費用の最大3分の2の金額を国が出すもの。対象になる「経営革新」とは、新商品の開発や新分野への挑戦といったビジネスモデルの転換による新市場開拓と、製造ラインのIT化や顧客管理システムの刷新など新規設備の導入による生産性向上を指します。一方の「事業転換」は、事業所の廃止や既存事業の集約・廃止が補助対象となっています。後継者には適用要件があり、①役員や個人事業主として3年以上の経験があること、②引き継いだ会社もしくは同業種の会社に6年以上の勤務経験があること、③創業・承継に関する研修を受講していること――のいずれかに該当しなければなりません。

 なお補助金の申請の際には、「認定支援機関」に登録している税理士などの資格者に、「地域に貢献する中小企業であること」「経営革新の内容に独創性があること」などについて確認を受ける必要があります。
<情報提供:エヌピー通信社>

6月4日朝時点での国税庁HP新着情報

6月4日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成30年6月1日

≪税の情報・手続・用紙≫
●平成30年度 中学生の「税についての作文」募集

≪刊行物等≫
●「収益認識に関する会計基準」への対応について

≪法令等≫
●法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)

≪お知らせ≫
●収入印紙の形式改正について(PDF/299KB)

≪国税庁等について≫
●第19回国税審議会 議事録の掲載について
●第19回国税審議会酒類分科会の議事録の掲載について

 

6月1日朝時点での国税庁HP新着情報

6月1日朝時点での新着情報は、以下の通りです。

国税庁ホームページ掲載日:平成30年5月31日

≪税の情報・手続・用紙≫
●「平成30年分給与所得の源泉徴収票の記載のしかた」を掲載しました
●「平成30年分以後の公的年金等の源泉徴収票」を掲載しました

≪法令等≫
●消費税法基本通達の一部改正について(法令解釈通達)(平成30年5月29日)
●適用額明細書の記載に係る区分番号一覧表等の掲載について
●財産評価基本通達の一部改正について(法令解釈通達)
●平成30年分の基準年利率について(法令解釈通達)

名古屋国税局の査察資料が流出

名古屋国税局が行った査察調査で、関係者の個人情報などが記載された調査関係書類が流出していたことが分かりました。局は担当者2人の処分を検討しているそうです。

 名古屋国税局によると、査察調査を担当したのは査察部の40代主査と30代査察官の2人。今年1月に調査対象法人の代表の親族に聞き取り調査を行った際に、確認のために提示した調査報告書の回収を怠ったそうです。報告書は親族が持ち帰りました。

 さらに3月にも、同じ法人の別の親族に必要書類を渡した際、法人と取り引きがあるとみられる個人や法人のリストを誤って渡しました。リストには査察部が金融機関に照会した関係先の情報が記載され、個人23人の氏名、住所、生年月日、口座番号と15法人の社名、住所、設立年月日、口座番号が記されていたといいます。

 リストが法人にわたり、関係者から「文書が流出している」と連絡があって発覚しました。局は原本とコピーを回収しましたが、関係者は「まだコピーを所持している」と話しているといい、さらなる回収に応じるよう求めています。

 調査対象法人の関係者以外への流出や査察調査への影響は現在までにないとしていますが、全容解明後には担当者2人の処分を検討するとしています。
<情報提供:エヌピー通信社>

成人年齢引き下げは多方面に影響

 成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案が、衆院本会議で審議入りしました。立憲民主党など6野党は安倍政権の不祥事追及などを理由に国会審議を欠席しましたが、与党は審議をそのまま進め、今国会での成立と、2022年4月の施行を目指します。成人年齢が18歳に引き下げられると、民法や税法に様々な影響が及ぶことになります。

 民法改正案は、成人年齢を現行の20歳から18歳に引き下げ、併せて現在16歳となっている女性の結婚可能年齢を18歳に引き上げて男性とそろえるというもの。現行制度で20際を基準に定められている他の法律についても見直しを検討しますが、18歳に統一することはせず、それぞれの事情を考慮することになっています。

 具体的に、現在20歳となっているが改正後18歳でもできるようになるのは、①車や携帯電話の購入などの単独での契約、②親の同意のないローン契約、③税理士や公認会計士になること、④10年有効のパスポートをとること、⑤性別変更の申し立て、⑥民事裁判の単独提訴――など。

 一方、民法改正後でも20歳にならないとできないのは、①飲酒や喫煙、②養子の親となること、③馬券などの購入――などです。現在20歳未満に適用されている少年法が18歳未満に変更されるかどうかは検討中とのことです。税制でも、相続人に関する規定などで成人年齢である20歳を基準としているものがあり、それらは民法改正に合わせて18歳を基準とするよう改められる見通しです。
<情報提供:エヌピー通信社>

(後編)新しい不服申立制度に注意!

(前編からのつづき)

 改正後は、納税者の選択により、「異議申立て」を経ずに直接、「審査請求」を行うことができるようになり、「異議申立て」については、その名称が「再調査の請求」に変更されております。

 その他の改正では、閲覧請求書類の範囲の拡大と写しの交付があります。
 審査請求人が担当審判官に対し、原処分庁から提出された書類その他の物件の閲覧を求めることができる「閲覧請求」は、改正前は、審査請求人は原処分庁から任意に提出された「処分の理由となった事実を証する書類等」に限り閲覧できましたが、改正後は閲覧できる対象者に原処分庁なども含まれ、閲覧できる証拠書類等の範囲が拡大されております。
 具体的には、担当審判官が職権により提出を求めた帳簿書類その他の物件も閲覧の対象となっております。

 また、改正前は認められていなかった審査請求人による閲覧書類の写しの交付請求が、改正後は請求できるようになっております。
 改正後の写しの交付は、用紙1枚につき10円の手数料で、カメラを持参して撮影することも認められるようになりました。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

(前編)新しい不服申立制度に注意!

すでに2014年6月に、公正性の向上と使いやすさの向上の観点から行政不服審査法の抜本的な見直しが行われており、国税通則法の改正により、国税不服申立制度についても改正されております。
 そして、2016年4月1日以降に行われる税務調査の結果に基づく処分は、新しい不服申立制度が適用されております。

 主な改正には、不服申立期間の延長や異議申立前置の廃止などがあります。
 不服申立期間とは、不服申立てを行う場合に定められているその不服申立てを行うことができる期間で、原則、不服申立期間を過ぎて申立てをした場合は、不適法なものとして審理の対象とされず却下されます。

 改正前は原則として「処分があったことを知った日の翌日から2ヵ月以内」とされていましたが、改正後は「3ヵ月以内」とされ、不服申立期間が延長されております。
 異議申立前置とは、原処分庁(税務署や国税局)が行った処分については、一定の場合を除き、原則として原処分庁に対する「異議申立て」を経た後でなければ、国税不服審判所長に対する「審査請求」を行うことができないことをいいます。

(後編へつづく)

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年5月2日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

《コラム》年金分野でのマイナンバーの利用

◆年金分野届出もマイナンバー記載
 平成30年3月より厚生年金被保険者、事業主及び年金受給権者並びに国民年金の被保険者及び受給権者が提出する各種届出等で、現在基礎年金番号を記載しなければならない事とされているものについて、個人番号による手続も可能とし、原則として個人番号記載をする事になりました。各届出の新様式では基礎年金番号は省略され、その代わり個人番号記載欄があります。現在は旧様式も使えますので旧様式の時は基礎年金番号を記載します。
 事業所において新様式でマイナンバーを記載して届け出る主なものは、資格取得届、資格喪失届、70歳以上届出関連、賞与届、被扶養者(異動)届、産前産後、育児関連の届出等 基礎年金番号を記載していた普段使用する事が多い書類です。

◆住所変更届・氏名変更届は提出省略に
 年金機構では各人の基礎年金番号とマイナンバーとを紐付けする作業をしてきましたが、機構で確認が取れている方については住所変更届、氏名変更届、国民年金の死亡届の届出は省略できることになっています。確認が取れていない人は昨年12月に事業主に対象者の一覧表が送付されています。返送されていない場合は確認の上返送しましょう。また、資格取得届等住所の記載が必要な書類でもマイナンバーを記載した時は年金機構が住基ネットから住所を取得するので記載が省略されます。住民票の住所と違う場所に居住している時は住所変更届(居所届)を提出します。

◆マイナンバーを記載する際の注意点
 届出書類にマイナンバーを記載する際の注意点は、本人からマイナンバーを取得する時は利用目的を告げ、ナンバーとともに本人確認を行う事が必要です。マイナンバーを記載して提出する書類には本人確認書類の提示(提出)が必要になります。個人番号カードか個人番号通知カード+住民票(マイナンバー付)や運転免許証、パスポート等の写しを付けます。
 国民年金3号被保険者届は勤務先を経由して届出しますが普通は被保険者である夫が3号被保険者(妻)の本人確認を行います。届出に委任を記載する部分があるのでそこにチェックを入れる事で代理人とします。

【時事解説】次世代がん治療の可能性 その2

近年、革新的ながんの治療法である「免疫治療」が実用化され、がん免疫治療薬は次世代のがん治療薬として期待が寄せられています。中でも、米国で承認されたCAR-T療法は白血病(血液のがん)の治療で劇的な効果が報告されています。CAR―T療法は、異物を排除する「T細胞」と呼ばれる免疫細胞を患者の体から取り出し、がんを認識する遺伝子に改変して患者に戻す治療法です。改変の過程ではがんへの攻撃力を高める操作が行われ、これが白血病患者への優れた効果につながっています。日本ではまだ承認されていませんが、承認に向け製薬会社が相次ぎ参入しています。

 CAR-T療法への期待が高まる理由の一つは高い効果にあります。免疫治療といっても様々な種類があり、日本で承認されているオプジーボ、キイトルーダといった「免疫チェックポイント阻害剤」はがん患者の中でも効くのは2~3割と高くありません。薬の効果を高めるといった課題解決の点でCAR-T療法は優れているといえます。ただ、CAR―T療法は白血病では高い効果を示しますが、肺がんや膵臓(すいぞう)がんなどでは効果は低いという問題点があります。加えて、CAR―T療法は薬価が5,000万円と高価で、米国で社会問題にもなりました。

 がんの免疫治療は革新的であることに違いありませんが、現状は課題が多くあります。とはいえ、製薬会社や大学の研究室ではコストの低下や効果の向上を目標に掲げ、地道な研究が進められています。CAR―T療法では、新技術を用いることでコストを20分の1まで抑える研究があります。今後もがん免疫治療ではさらなる進歩は続くことが期待できます。(了)

(記事提供者:(株)日本ビジネスプラン)

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