福井の大雪被害で中小企業支援策

2月上旬の大雪で福井県の経済活動に影響が出ていることを受け、中小企業庁は被災中小企業や小規模事業者を対象とする支援策を公表しました。支援策は、①特別相談窓口の設置、②災害復旧貸付の実施、③セーフティネット保証4号の適用、④債務の返済条件緩和などの対応、⑤小規模企業共済災害時貸付――の5つです。

 ①は、福井県の商工会議所の各支部や日本政策金融公庫、よろず支援拠点などに電話相談窓口を設置するもの。詳しい連絡先などは中企庁のホームページで確認できます。②は、被災した事業者を対象に、福井県の日本政策金融公庫と商工組合中央金庫が運転資金や設備資金を貸し付ける措置です。事業資金を融資する中小企業事業と、生活資金などを含めて融資する国民生活事業に分かれています。③は、県内でも特に被害が大きく、災害救助法を適用された地域の事業者に対して、福井県信用保証協会が一般枠と別に最大2億円まで融資額の100%を保証するものです。災害救助法は2月15日時点で、福井県福井市、大野市、勝山市、鯖江市、あわら市、越前市、坂井市、吉田郡永平寺町、丹生郡越前町に適用されています。

 ④は、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会が、すでに契約している融資について、返済猶予の条件変更や貸出手続きの迅速化、担保の弾力運用などに努めるというもの。自社の被害状況を忘れずに記録し、交渉に当たりたいところです。⑤は、③と同じく災害救助法を適用された市で、小規模事業者を対象に災害時貸付を行うというもの。通常の融資に比べて即日、低利で融資を受けられることが特徴となっています。
<情報提供:エヌピー通信社>

総務省:2016年度のふるさと納税に関する現況調査を公表!

総務省は、すべての地方公共団体(1,788団体)を対象に実施した「ふるさと納税に関する現況調査」結果(有効回答数:都道府県47団体、市区町村1,741団体)を公表しました。
 それによりますと、2017年3月までの1年間(2016年度)のふるさと納税の寄附額は2,844億888万円にのぼり、前年度(1,652億9,102万円)の約1.7倍、寄附件数も1,271万780件で前年度(726万93件)の約1.8倍となったことが明らかになり、寄附額は4年連続で過去最高を更新しました。

 ふるさと納税とは、自分の生まれた故郷や応援したい自治体に対する寄附金のうち2,000円を超える部分について、一定の上限まで、原則所得税・個人住民税から全額が控除されます。
 寄附件数や寄附額が増加した背景としては、寄附者に送る返礼品の充実に加え、2015年度税制改正での個人住民税等が減税される寄附上限額の約2倍に引上げ、5つの自治体まで確定申告不要とする「ふるさと納税ワンストップ特例制度」の導入などがあるとみられております。

ふるさと納税が増加した理由について、寄附を受け入れた各自治体にたずねてみますと、「返礼品の充実」が57.1%で最多、次いで「ふるさと納税の普及、定着」が57.0%と続き、以下、「収納環境整備(クレジット納付、電子申請の受付等)」(41.8%)、「HP等の広報の充実」(32.4%)、「2015年度における制度拡充(ふるさと納税枠の倍増、ふるさと納税ワンストップ特例制度の創設)」(30.1%)などの理由が挙げられております。

 各地方公共団体の返礼品は、94.2%(1,684団体)が「返礼品を送付している」と回答し、返礼品を送付する仕組みを設けていない104団体(5.8%)のうち、43団体(2.4%)が「今後の返礼品送付を検討中」としております。
 なお、2016年度のふるさと納税受入等に伴う「返礼品の調達に係る費用」は、全団体合計で109億810万円となっており、ふるさと納税寄附額(2,844億900万円)に占める割合は38.4%となりました。
 今後の動向に注目です。

(注意)
 上記の記載内容は、平成30年1月5日現在の情報に基づいて記載しております。
 今後の動向によっては、税制、関係法令等、税務の取扱い等が変わる可能性が十分ありますので、記載の内容・数値等は将来にわたって保証されるものではありません。

《コラム》同一労働・同一賃金とは

◆同一労働・同一賃金ガイドライン案
 労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)に「同一の使用者と労働契約を締結している、有期雇用労働者と無期雇用労働者との間で期間の定めがあることにより不合理に労働条件を相違させることを禁止する」とされています。最近耳にするこの事項は同じ条件で働く有期と無期の労働者の処遇について示されています。その中で労働条件が不合理かどうかとは次のようなことを言っています。
①職務内容の仕事と担っている責任度合い
②人材活用の仕組み 
転勤の有無、範囲、職務変更の有無、範囲、将来に向かってのキャリアの範囲
 また、通勤手当、食堂の利用、安全管理等についての労働条件を相違させる事は特段の理由がない限り合理的とは認められないとしています。

◆労使で勤務体系を考える論議望まれる
 同一労働・同一賃金のガイドライン案は正規か非正規かと言う雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し両者の不合理な待遇差の解消を目指そうとするものです。これを解消するには各企業において職務や能力と賃金の処遇体系全体を話し合い、確認する事が肝要としています。

◆待遇差で問題となる例
①基本給について
・無期雇用フルタイム労働者Aは有期雇用労働者Bより多くの職務経験を有する事を理由としてAにより多くの賃金を支給しているがAの職業体験は現在の業務と無関係
・基本給の一部を業績・成果で支給していて、無期雇用者が販売目標を達成した場合支給しているが、パート労働者が無期フルタイム労働者の販売目標に達しない場合には支給していない(労働時間が少ない)
・勤続年数に応じて支給しているが有期フルタイム労働者には通算の勤続年数は考慮していない
②賞与について
・会社業績の貢献度に応じた支給をしている会社が無期フルタイム労働者には職務内容・貢献度にかかわらず全員支給しているが有期雇用労働者やパートには支給しない
 これからは正社員だから、有期雇用者だからと言った理由だけで不合理な制度では労働者は不満を感じてしまうかもしれません。

《コラム》無期転換申込権発生に備えての対応

◆無期転換申込権とは
 今年の4月より無期転換制度が始まります。この法は従前には無かった新しい制度であり企業に有期雇用労働者がいる場合、必要な手続を行う事が求められます。
 無期雇用転換制度とは労働契約法第18条(有期労働契約者の期間の定めのない労働契約への転換)に規定されています。
 「同一の使用者との間で締結された2以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が5年を超える労働者が、当該使用者に対し、現に締結している有期労働契約の契約期間が満了するまでの間に、当該満了日の翌日から労務が提供される期間の定めのない労働契約の申込みをしたときは、使用者は申込みを承諾したものとみなす」と言うものです。つまり同一事業主の下、有期労働契約を更新していて5年を超えた時、本人が無期転換申し込みをしたら定年・再雇用までの継続勤務として扱うと言う事です。

◆目前に迫る開始期日と対応
 対象労働者は平成25年4月1日以降に有期雇用契約をし更新した方が、平成30年の4月1日以降通算5年を経過すると、無期転換申込権が発生、その日以降いつでも、申し込みができる状態になる訳です。
 具体的な対応としては、
(1)平成25年4月1日以降に有期雇用契約をした対象者に対し転換時期(通算5年を超えた日)を知らせる必要があります。
 その際、就労実態を調べ社内の仕事を整理区分し任せる仕事を考えます。また、無期雇用とは必ずしも正社員と同一労働条件を指すものではないので、今までと同じ待遇と言う場合もあるでしょう。
(2)無期転換雇用者就業規則の定めをする
(3)高年齢者や再雇用者の対応  
 有期特措法の適用で定年後の継続雇用の方の無期雇用の適用除外認定手続きを取る。

◆今後の会社の方針を検討する
 有期雇用労働者を5年以上続けて雇い入れている企業は、今後どのような方法を採るかを考える必要があります。
(1)正社員や多様な正社員への登用
(2)雇い入れ期間設定(通算5年未満)や勤務評価の上限設定。但し申込権発生直前の雇止めは慎重さが必要です。
(3)申し込みがあれば無期雇用にはするが労働条件は変えない
……等があります。

【時事解説】仮想通貨による資金調達と可能性 その2

最近、ICO(イニシャル・コイン・オファリング)という、仮想通貨を用いた資金調達の手段に注目が集まっています。企業にとって、ICOのメリットはIPO(新規公開株、株式上場)と比べて、手軽に資金を調達できる点にあります。投資家のメリットは、トークン(株式のようなもの)の価格や、仮想通貨の価格が上がれば、売却益を得ることができます。
 とはいえ、リスクも多くあります。投資先のプロジェクトが失敗すれば、株式と同じように投資家は損失を被ります。しかも、株式と違い、議決権がないので、投資対象の企業が破綻しても、残余財産を受け取ることができません。

 もう一つの懸念は、仮想通貨の価格が安定しないことです。仮想通貨は多数の種類がありますが、もっとも有名なビットコインは、昨年12月に約240万円程度の価格をつけました。しかし、2018年1月、価格が大幅に下がり、100万円を割れたこともあります。企業は仮想通貨で資金を集めても、仮想通貨の価値が下がると、せっかく集めたお金の価値が下がってしまいます。
 また法が整っていないため、詐欺まがいの案件が生じていることもあげられます。
 このほか、大きな懸念は、中国や韓国など、ICOによる資金調達を禁止する国が出ていることです。その一方で、スイスなど、規制を緩めICOを容認する国もあります。また、米国やカナダなど、ICOについて育成の姿勢をみせる国もあります。日本は禁止の姿勢はみせておらず、法整備を進めている段階にあります。リスクは多いもののメリットも多いICO。今後に注目です。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

【時事解説】仮想通貨による資金調達と可能性 その1

 最近、ビットコインなどの仮想通貨に注目が集まっています。昨年末、仮想通貨の価格が暴騰し、億単位の利益を得た投資家が続出しました。そのため、投機的な商品として話題になっています。
 実のところ、仮想通貨は投資だけでなく、企業の資金調達(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)の手段としても活用が進んでいます。ICOとは、どのようにして資金を集める方法なのでしょうか。
 資金調達といえば、IPO(新規公開株、株式上場)が手段の一つとしてよく知られています。ICOの仕組みはIPOと共通点が多くあります。IPOの場合、企業は株式を発行し、投資家に株式を買ってもらい資金を集めます。ICOは株式の代わりに、トークンとよばれるデジタル権利書を発行します。企業は投資家に事業内容などを説明し、賛同する投資家はトークンの代金として仮想通貨を払い込みます。資金として、現金ではなく、仮想通貨を払い込んでもらうところに特徴があります。

 ICOは、米国では盛んに行われています。日本では端緒についたばかりですが、すでに109億円を調達した企業も出ています。なにより、ICOのメリットは、IPOと比べて審査が簡便なので、手軽に実施できる点にあります。IPOよりも早く資金を調達できることが魅力です。
 投資家のメリットはトークンが仮想通貨の取引所に上場されれば、新たな仮想通貨として取引できます。加えて、トークンは株式と同じように売買時の価格(株式でいえば株価のようなもの)がつきますが、価格が上昇すれば、株式と同じように、売却による差益を得ることができます。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

【時事解説】地方創生とまち・ひと・しごと創生総合戦略 その2

 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の遂行にあたっては、人口減少克服・地方創生を実現するための5つの政策原則として、①自立性、②将来性、③地域性、④直接性、⑤結果重視を掲げています。
 また、4つの基本目標を、「①地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」、「②地方への新しいひとの流れをつくる」、「③若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」、「④時代に合った地域をつくり、安全なくらしを守るとともに、地域と地域を連携する」としています。
 さらに、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、評価基準として「KPI(Key Performance Indicators:重要業績評価指標)」が施策ごとに設定されています。さらに、施策の進行管理を適切に行い、その成果を高める仕組みとして、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返すPDCAサイクルが組み込まれています。

 例えば、2017年12月22日に改訂された国の「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、基本目標「①地方にしごとをつくり、安心して働けるようにする」の主要施策として、「地域の中核企業、中核企業候補支援」、「観光業を強化する地域における連携体制の構築」、「農林水産業の成長産業化」を掲げています。このうち「農林水産業の成長産業化」においては、6次産業化市場10兆円、農林水産物・食品の輸出額1兆円というKPIを設定しています。
 このように「まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、上記のような特徴ある戦略遂行を通じて、地方創生の着実な推進に向けた取組みが行われているのです。(了)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

【時事解説】地方創生とまち・ひと・しごと創生総合戦略 その1

「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改訂が、2017年12月22日に閣議決定されました。
 「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は「まち・ひと・しごと創生法」に位置づけられています。同法によると地方創生とは、まち(国民が夢や希望をもち、潤いのある豊かな生活を安心して営める地域社会の形成)、ひと(地域社会を担う個性豊かで多様な人材の確保)、しごと(地域における魅力ある多様な就業機会の創出)の創生を指し、これら3つを一体的に推進することが求められています。
 地方創生に向けた政策の展開についてみると、日本創成会議・人口減少問題検討分科会が2014年5月に公表した「ストップ少子化・地方元気戦略」において、20~39歳の女性の数が2010年から2040年にかけて5割以下に減る自治体を「消滅可能性都市」と位置付け、全国の市区町村の半分にあたる896自治体を指定し、早急な人口対策の必要性が提示されました。
 こうした流れの中、「まち・ひと・しごと創生長期ビジョン」と「まち・ひと・しごと創生法」、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(国の総合戦略)」が2014年12月までに策定され、2015年度を初年度とする5か年の目標、施策に関する基本的方向等が定められました。
 また、「まち・ひと・しごと創生法」では、地方版総合戦略として、都道府県が都道府県版総合戦略、市町村が市町村版総合戦略の策定に努めることが謳われています。
 このように「まち・ひと・しごと創生総合戦略」は国、都道府県、市町村のそれぞれが策定し、地方創生を推進していくことが求められているのです。(つづく)

(記事提供者:(株)税務研究会 税研情報センター)

《コラム》個人情報の利用目的の変更

◆すべての事業者が個人情報保護法の対象に
 平成27年9月3日に成立した改正個人情報保護法が、平成29年5月30日から全面的に施行され、すべての事業者が個人情報取扱事業者として同法の適用を受けることになりました。
 個人情報取扱事業者は、個人情報の利用目的を特定したうえで、個人情報を取得した際に、これを公表または本人に通知しなければならないとされています。
 しかし、本人に通知していた利用目的に漏れがあったり、事業の拡大により利用目的の追加が生じることも考えられます。その場合はどのように対応すればよいのでしょうか。

◆利用目的の変更が認められる範囲
 まず、一旦通知した個人情報の利用目的を一方的に事業者が変更できるとすれば、事前に利用目的を通知しなければならないとした趣旨を没却することになります。そこで、原則として、本人の同意がなければ利用目的を変更することはできません。本人の同意を得る手続は、事業者にとって非常に負担の大きいものとなります。
 もっとも、例外的に、「変更前の利用目的と関連性を有すると合理的に認められる範囲」については、変更後の利用目的を本人に対して通知するか、公表することにより、個人情報を利用することができるとされています。
 例えば、フィットネス事業者における「顧客の食事メニューの指導」と「当該食事メニューに関する食品販売」という利用目的は、関連性を有するものとして認められると考えられています。

◆目的外利用に対する制裁とは
 では、本人の同意を得ずに利用目的を変更した場合など、本人に通知していた目的の範囲外で個人情報を利用した場合はどうなるのでしょうか。 
 個人情報保護法では、法令に基づく場合(例:裁判官の令状による場合)など目的外利用が認められる例外事項が列挙されています。しかし、これらに該当しない場合には同法違反の行為となりますので、個人情報保護委員会という組織より、指導・助言、勧告・命令などを受ける可能性があります。また、これらの監督に従わなかった場合には、罰則が設けられています。

 

《コラム》健康保険の被扶養者が収入増で外れるとき

◆健康保険の被扶養者とは
 健康保険の扶養家族となる被扶養者とは被保険者の収入により生計を維持している人を言い、被扶養者の直系尊属、配偶者(事実婚を含む)、子、孫、弟妹、兄姉、および被保険者と同居している三親等以内の親族や事実婚の配偶者の父母、子も対象です。
 生計を維持しているとは被保険者の収入により生活していることで、その基準としては年間収入が130万円未満(60歳以上または障害者は180万円未満)である事です。

◆配偶者控除の改正でどうなる?
 所得税法の改正で平成30年分の所得から配偶者控除が引き上げられることになりました。これにより給与所得だけの配偶者の場合、従来は収入が「103万円」まで配偶者控除が適用されていましたが「150万円」まで拡大されます。
 健康保険の被扶養者でパートで働く配偶者は税制メリットを受けるので働く時間を増やして収入を増やそうと考える場合もあるでしょう。しかし健康保険上の被扶養者の収入要件の変更はないので、年収が130万円未満でないと被扶養者でなくなってしまいます。勤務する会社の健康保険・厚生年金保険に加入するか、自ら国民健保や国民年金に加入することになります。

◆健保の被扶養者を外れる時
 収入が増えて被扶養者でなくなる時期はいつの時点なのでしょうか。税法上の配偶者控除対象者は1月から12月の1年間の所得を見ますが、健康保険の被扶養者の認定は今後1年間の収入額の見込み額で判断します。したがってパートやアルバイトの給与収入だけであれば過去1年分の給与の合計が130万円以上となった時点で被扶養者から外れるのではなく、これから1年間で130万円以上が見込まれるようになった時点で被扶養者でなくなります。この場合の給与収入には通勤手当も含まれます。
 具体的には目安ではありますが1か月の収入が108,333円(130万円÷12か月)を常に超していれば、超えることがはっきりした時点で外す手続きをとることになります。
 雇用契約の変更による勤務日数や時間の増加で130万円を超えると見込まれたときは、その契約開始日が被扶養者でなくなる日となります。