相続税の申告書の添付書類の拡充
はじめに
平成30年度税制改正では、納税義務者の相続税の申告書の添付書類における行政手続きコストに配慮する観点から、戸籍謄本を複写したものが添付可能とされるとともに、法定相続情報証明制度が活用できることとなりました。
そこで、本稿では、拡充された相続税の申告書の添付書類の制度の概要と実務上の留意点について解説することとします。
Ⅰ 改正前制度の概要(相規16③)
相続税の申告書に添付すべき書類の範囲は、①相続の開始の日から10日を経過した日以後に作成された戸籍謄本で被相続人の全ての相続人を明らかにするもの、②被相続人に係る相続時精算課税適用者がある場合には、相続の開始の日以後に作成されたその被相続人の戸籍の附票の写しとされます。
Ⅱ 添付書類の拡充(新相規16③一)
相続税の申告書の添付書類として提出すべき書類の範囲に、①戸籍謄本を複写したもの、②法定相続情報一覧図の写し(複写したものを含み、図形式で記載されたもののうち実子又は養子の別が記載されたもの(被相続人に養子がある場合には養子の戸籍謄本又は抄本が必要とされます)に限ります。)が追加されます。
≪図表:相続税の申告書の添付書類の拡充≫
(注)酒類等の製造業又は販売業を相続しようとする者が提出する相続申告書には、戸籍抄本を添付する必要があります。
(今月の税務トピックス②につづく)